豊年屋 鍋焼きうどん (阿佐ヶ谷)

今日みたいに雨降りの寒い日は、やはり熱々の温かいもの。グラタンなんかもいいなぁと思ったが、鍋焼きうどんなんてどうだろうと思いつく。鍋焼きうどんなら、豊年屋だ。杉並区役所のほぼ目の前。店の傍を通ると出汁の良い香りがする、地元に根差した街の店。冬になると、店前の品書きに「あつあつ、鍋焼きうどん、味噌煮込みうどんあります」という貼り出されて、これについつい誘われる。
開店して10分少々。先客はいらっしゃるものの、まだ嵐の前の静けさという雰囲気。料理が届くのを待っていると、ポツポツと近所にお住まいと思わしき先輩方がやって来る。鍋焼きうどんの方もあれば、カレー南蛮の方、ご常連は大たぬき。羨ましかったのは、腰を落ち着けるなり「熱燗」と一言。一呼吸置いて「厚焼き玉子」という先輩。それも確実に温まって美味いやつ。
さて、鍋焼きうどんだ。目の前に届いてから、店の方がそっと蓋を開けてくれると、ふわっと湯気が立ち上がる。嗚呼、温かい。そして誘う香り。外で嗅いでいたあの香りだ。グツグツと沸く汁の中には、蒲鉾になると、玉子焼き。麩に椎茸、豚肉、若芽。それに立派な海老の天ぷらと盛り沢山。海老の天ぷらはここの人気の一つ。花揚げにした衣が汁に合うし、海老も誠実感のある食べ応え。それに、江戸前らしい汁がうどんや具材に染みた感じも、なんともいえず温かい。
時代が付いた天井や壁、テーブルなども温かく落ち着いた雰囲気をくれるし、客もそれぞれにゆったりと愉しんでいるところも好い。一方で、店の方の明るい挨拶も素敵。どうぞ長く続けて下さい。
【お店情報】
豊年屋 成田東4-37-10 地図
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