Chinese 元yuan (高円寺)

その一口に恋をする。
好きだったSwing Stomp Swayが高円寺を離れ、その跡地はどうなっただろうと気にしていたところ、同じ場所で9月下旬にオープンしたのがChinese 元yuan。扉を開けると、ほぼ同じ雰囲気。そして、既に大盛況。料理を一目見て口にすると、それも納得。最初に会ったその日から、想いは募るばかり。
以前の店と同様、カウンターのみ。一人で気兼ねなく伺えるというのが、先ず心強い。それに、メニューには、一人前と明記されているのが沢山。前菜を見れば、中華小鉢盛り合わせ6種(一人前)というのがあって、先ずはそれだ。

程なくして届いたのは、どこから手を付けようかと迷ってしまうほどの艶やかな小鉢たち。蒸し鶏に、真鯛の刺身。甘海老の紹興酒漬けによだれ白子。つぶ貝煮に、カシューナッツとクルミの飴炊き。印象的なのは、刺身や蒸し鶏に使われているソースの複雑さと透明感。青葱や山椒の色味と香り、味わいの余韻が好きだ。

その日、続いてお願いしたのが焼売。広東風と、桜エビ醤を乗せという2種類があって悩んでいたら、1つずつでもどうぞという。豚肉と海老の旨味の波に襲われるも好し、桜エビ醤の香りや食感を楽しむも好しで、結局どちらも選べない。

次に伺って、大感激したのはエビ春巻き。齧り付いた瞬間に「!!!海老!!」と叫びたいくらいに全面海老。端から端まで海老づくし。サクッの後は、むっちりぷりぷり。シンプルだからこそのこの味わい。店の一番人気と聞いたが、間違いない。そしてこの美味しさは、誰かと共有したいと思う。

定番メニューの他に、日替わり的なメニューもあって、牡蠣を見つけたら、他にも気になっていたものがあるのにどうしたって。牡蠣のニンニク醤油蒸しという料理で、やわらかい火入れによる艶やかさと、タレの美味しさにときめいていたら、底に忍ばせてあった春雨が旨味をたっぷりと吸って、最後まで美味しさが止まらない。

食べたい料理が一向に減らないから、珍しく人を誘って。もちろん、感激したエビ春巻きも食べてもらいたいし、気になっていた海老のマヨネーズソースも。海老マヨは、軽やかな衣と海老の食感に続いて、ナッツをふんだんに使ったソースの甘みやコクがとても好い。

一人で来たら、絶対視野に入ってこない焼き立てチャーシューも素晴らしかった。他のお客様には申し訳ないが、店中が美味しい香りに包まれるくらいに、届く前からもう堪らない。やって来たのは、この艶々で焼いた香りも美味しい一品。口にすると、タレの風味から肉の旨味、そして脂がじわじわと広がって、あゝ、ここにはやはり酒。
店はご夫婦で切り盛り。シェフの料理はもちろんのこと、マダムはソムリエで、ビールや紹興酒、白酒の他、ワインも豊富でワインリストも面白い。メインを張れる魚料理や肉料理も沢山あるし、麻婆豆腐に、評判と聞く担担麺やチャーハンなど、気になる料理はまだまだ沢山。だからすでに、次の予約は入れている。
【お店情報】
Chinese 元yuan(ユアン) 高円寺南2-53-1 フラットコウ 102 地図
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