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2023年9月24日

樽 (青森市)

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美味しさはもちろん、楽しさと居心地の素晴らしさは秀逸。おすすめしたいし、来年も伺います。

今年の青森の一日目は、樽。地元で揚がる魚と日本酒の種類が豊富と評判の店。他にも魚と日本酒が揃う店はあるが、惹かれたのが、雰囲気がとても好きそうだということ。実際に暖簾をくぐったその瞬間から、活気と笑顔に満ちていた。ざっと周りを見るだけでも、地元の方も居れば、明らかに旅行の方、しかも一人で来ている方が多いというのが素敵だ。しかも、既に店に馴染んで楽しんでいる感じが伝わってきて、謎の負けん気が湧いて来る。

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日本酒を楽しみにして来たけれど、先ずはゴクゴクと飲りたくて、緑茶ハイ。すぐに運ばれてきたお通しが秀逸で心が逸る。ピカピカの烏賊の醤油漬けに、蛸の頭や烏賊の下足のぬた。もう見ただけで日本酒に移行したいし、今日の幸せを確信する。

ちなみに、日本酒は品書きに書かれているものだけではなく、田酒や豊盃など人気の地酒は書かれている以外のものもあって、この日はそれぞれ7~8種類ほど。お姐さん方がメモを見せてくれながら、味わいを紹介してくれるときのやり取りも好い。

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次は、予約時に、刺し盛りは予約しておいたほうがと聞いて、お願いしていた刺身の盛り合わせ。10種類以上あるだろうか。見入っていると、運んできてくれたお姐さんが、産地はもちろん、のどぐろやクエなんて、青森で揚がるイメージのない魚や海の状況などを教えてくれる。

もちろん、県の魚である平目や、青森のイメージ通りの帆立(ヒモも分けて乗せてくれているのが素敵)に、この日は大間の鮪の大トロに中トロも。県として、3方の海がある豊かな県を改めて想う。

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この日、品書きを見て絶対にこれと思ったのが、湾内産のとげくりがに。とげくりがにと言えば、青森の花見には欠かせないもの。まさに花見の時期が旬で、都内では2度ほど頂いたことがあったのだけれど、あの美味しさを現地でいつかとずっと思っていたもの。旬ではないものの、念願で、しかも「剥いてあります」ということに、拝み倒したいくらい。

届いたものに、また驚いた。一人から二人前と書いてあったが、まぁ立派、実に立派。一つ一つがしっかりとした身肉を口にすると、なるほど仲間の毛ガニっぽい。ほろりとほどけて、噛みしめるとじんわりと広がる旨味。しかも甲羅の深さがすごいんだ。掘っても掘っても、美味しい身がザクザクと。

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それに、好物だけれど、久しぶりの貝焼みそ。大きなホタテ貝の殻を鍋として使って、味噌を溶いた出汁に具材を入れて、最後に玉子でとじて食べる料理。ここでは、立派な帆立とわかめ、葱で、火が入るほどに、潮の香りが立ってそそる。帆立は先ほどの刺身と同じ湾内産。帆立自体の甘味も然ることながら、貝殻からも出汁が出てるんじゃないかと思うような旨味に玉子が絡んで、玉子好きならずとも好いツマミ。

本当はこの後に、下足揚げなども頂いたけれど、面白いハプニングがあったりもして、楽し過ぎ、笑い過ぎて、すっかり写真を撮り忘れ。お腹をかかえて笑うなんて、本当に久しぶり。普段は〆ないけれど、せっかくだから、大将が握る寿司と、あら汁やしじみ汁で〆ようなんても考えていたけれど、もうすっかりお腹も気持ちも満たされて、大満足。

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この日は予約で満席。佳い肴に佳い酒。それに、大将や女将さん、お姐さんたちの溌溂とした声と活気に、店を、旅を楽しんでほしいという気持ちが堪らない。この楽しさを味わいに、またここに。

【お店情報】
すし居酒屋 樽 青森市新町1-11-13 地図

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