Chinese 元yuan (高円寺)
定期的に伺わないと落ち着かなくなってしまったyuan。昨年末に訪ねた折、隣の方が召し上がっていた上海蟹のコースに魅了され、今度はコースにしようと決意。予約の際にコースを伺ったところ、ディナーコース、ふかひれ姿煮コース、おまかせコースの3種類とのこと。こういうときはおまかせだとお願いしたが、出てくる料理がどれもが素晴らしく、ますますファンになってしまった。
店に着くと、席にはすでにその日のメニューが置かれている。7~8品と聞いていたが、明らかに多くないか?と思っていると、「食べていただきたいものが多くて...」とマダムが苦笑する。
最初に運ばれてきたのは、山椒を練り込んだ生地に、白レバーのペーストを挟んだマカロン。噛みしめるほどに、白レバーのコク味に山椒の爽やかな香りが広がって、これから続く皿が楽しみになる。
続いては、ふかひれの冷菜。見た目のチャーミングさも然ることながら、ふかひれのシャクシャクとした歯ごたえも好いし、口の温かさで溶けるスープのジュレがまた格別。
以前いただいた叉焼が印象的だったから、焼き物もとても楽しみにしていたもの。今日は、手羽先、若鶏、松阪ポーク、腸詰の4種類。つやつやとした飴色と香りが食欲を誘う。誘われるままに口にすると、見た目は同じようなのに、素材は勿論のこと、味付け自体が違っていて、口にするたびに驚く。それに、それぞれに合わせたブルーチーズやマスタード、特に花豆の香りや味わいの見事なこと。
春巻や焼売は、伺うたびに単品でもいただく大好物。だから、今日の点心も楽しみで。この日は竹炭入りの焼売に、ズワイ蟹がたっぷりと載った焼売。手前の春巻は、鱈と白子、菜の花と旬のそろい踏み。食感や味わいの豊かさが眩しい。
続いて運ばれてきたのは、ツバメの巣と衣笠茸が入った、折り重なる白が繊細さを際立たせるスープ。見た目だけでなく、スープ自体が繊細な奥行きがあって、静かに、けれどもずっと飲んでいたいと思う。
後半戦の一品として届いたのは、車海老と黄ニラのXO醤炒め。車海老の芳醇な旨味と、黄ニラや空豆の若い緑の眩しいこと。それに素揚げされた車海老の殻の香ばしさ。口の中が旨味と好い香りでいっぱい。
メニューを見てふかひれが出ることは知っていたが、ふかひれのコースでもないし、ここでこんな立派な煮込みが出てくるとは思わなかった。こちらは毛鹿鮫の排翅で厚みも十分。力強い旨味や風味をと含んだとろとろスープが絡んだら、もう美味いしかない。
最後の肉料理は、黒毛和牛のザブトンを使った料理と聞いていたが、運ばれてきたのは、色鮮やかなボール状の一品。なんでも、チンジャオロースをイメージしたそうで、ピーマンや、オイスターソースが入ったタレの味はまさにそう。一方で、上等の牛肉の脂と瑞々しいピーマンやパプリカが見事で、最後を締めるにふさわしい一品。
青海苔と葱のさっぱりとした湯麺。細い麺にぴったりだし、柚子や胡麻の風味が胃と心を落ち着かせてくれる。
デザートには、杏仁風味のアイスと苺の盛り合わせ。いや~、よく食べた。一皿一皿がどれも印象的で、最初から最後までドキドキしっぱなし。季節が変わったら、またどんな料理が食べられるのだろうと期待する一方で、アラカルトでしか食べられないものもあるし、サクッと気軽に飲んで帰る楽しみもある。次はどうしようか…。今は、楽しい悩みでいっぱいなのだ。
【お店情報】
Chinese 元yuan 高円寺南2-53-1フラットコウ102 地図
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