漫莉キッチン お粥セット (銀座)
ずっと行ってみたいと思っていた店がある。裏銀座と呼ばれる辺り。京橋公園の程近くにある漫莉キッチン。創作広東料理の店で、名物の一つである広東本場の粥「老火粥」が気になって。普段のランチタイムには、少々時間が足りないと二の足を踏んでいたけれど、ようやく伺えるチャンス到来。
オープンの11時半を少し回った頃に伺うと、既にグループの先客がいらっしゃって盛り上がっている。迎えてくれたマダムによれば、コースをご予約されている方々のよう。「バタバタしちゃってごめんなさいね」とおっしゃるけれど、店に活気があるのは素敵なこと。
さて、こちらも注文だ。ランチメニューには、餃子ライスや炒飯などもあるが、目当ては粥。しかしこちらも3種類あって、来るまでにもずっと悩んでいたんだ。ムール貝粥に、銀杏粥、そして塩漬け鱈と落花生の貴妃粥。どれも食べてみたいじゃないか。
お願いしたのは、ムール貝の粥。粥は熱々の土鍋で運ばれ来て、蓋を開けてもらうと、見た目はかなり控えめ。というのも「老火粥」は、米と具材をはじめから一緒にたっぷりと時間をかけて、じっくりコトコト煮込んで作る粥なのだそうだ。だから、米はもちろん、具材まで全体がとろとろと一体化しているんだ。
一方で、香りの膨らみは鮮やか。そして、口にすると目では確認しづらかったムール貝の香りと味わいが輪郭まではっきりと見せてくれるよう。味わいは滋味深く、しみじみと染みわたる。食べ進めると、出汁やムール貝の味の他、米の甘みも感じられて、じっくりと具材の旨味が引き出されているのだなぁと思い至る。
小鉢の木耳サラダの黒酢使いや、ビーフンの味わいもやわらかで、店のほんわりとした雰囲気に似て。餃子や壁に掛けられたアラカルトも気になるばかりで、夜うかがえる機会を是非作りたい。
【お店情報】
漫莉キッチン 銀座1-24-5 地図
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