オーベルジュ・アンドラ・モンターニュ (南魚沼)

あけましておめでとうございます。
昨年秋の記事からになりますが、今年もどうぞよろしくお願いします。
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秋の旅の最終目的地は、アンドラ・モンターニュ。今年2度めのアンドラは、ゴールデンウィークに続き、今回は秋。海の恵みに山の恵み、新米など、旬の美味が勢揃い。
ディナータイムになると、いつもテーブルにはその日の手書きのメニューが置かれる。席に着いてそれを確認する瞬間が、最初の楽しみ。この日の料理は全11品。鮎に秋刀魚、サーモンにいくら、新米のコシヒカリ、梨に栗の文字に心が躍る。それに、謎めいたメニュー名がちらほらと。ここからもう広がる楽しみ。

最初に運ばれてきたのは、前菜の「ナスのキャビア」。貧乏人のキャビアなんて言われるが、黒オリーブの熟れた風味にみじん切りのゆで玉子や玉ねぎが加わり、そば粉のブリニでいただくと、ワインがすすむこと間違いなしのスターター。

続いて登場したのは「鮎のテリーヌ」。島根の高津川でシェフ自らが釣った鮎と、愛媛の養殖鮎の2種類を使ったテリーヌ。こんな食べ比べをする機会はないけれど、口どけとともに、身や内臓の香りや味わいの違いがはっきりと。でもどちらも甲乙つけがたい美味しさで、わさび風味が絶妙なアクセント。

北海道産サーモンの親子仕立ては、もちろんいくらを添えた華やかな一皿。しっとり仕上げたサーモンも然ることながら、いくらのぷちぷちと弾ける食感や、サーモンピンクに映えるオクラの緑や肉厚の椎茸も、見た目と味わいの両方で楽しませてくれる。

次の料理は、「サンマのコンフィ あなたは1,3 ? or 2,4 ?」という謎めいた一品。秋刀魚で、1,3 or 2,4 ってなんだろう? 「秋刀魚を4等分して、頭が1で尻尾のほうが4じゃない?」なんて言っていたら大正解。自分は1,3。骨までやわらかく、凝縮された旨味と香りがたまらない。

天然舞茸のスープは「土瓶蒸し風」と書いてある。どんな様子で出てくるのかとワクワクして待っていると届いたのは、確かに洋風にアレンジされた土瓶蒸し。今は無き「安寅”」の猪口が添えられているのがニクいところ。舞茸の芳醇な香りと抽出されたスープの深い味わい。肉厚でサクサクとした歯ごたえも、言うまでもない秋の恵み。

定番のフォラグラ料理は、今回は「ムースのシャンピニオン包み」。茸の香りと食感に続いて、フォアグラの甘さと滑らかな口どけ。この味わいと滑らかさがブリオッシュに合うし、添えられた山菜の塩漬けがいい塩梅。

メイン料理は「牛肉のグラーシュ」。ホロホロになるまでじっくり煮込まれた牛肉は、肉の旨味が溶けだしたコク味たっぷりのソースと相まって、気持ちまで温まる味わい。パプリカなどの香辛料の風味が深みを与えて、これまでも沢山食べているのに、どんどん食が進んでしまう。

そして、新米のおむすびが登場。新潟・高柳地区で収穫されたコシヒカリを、ほどよきやわらかさで握るおむすびは、自分の中での指折りの美味しさ。絶対的な安心感があって確実に満足感を与えてくれる。

デザートには「梨のコンポートとひまわりの蜂蜜のアイスクリーム」。

さらに「茨城産の栗のガトー」。「丹波栗の胡桃の蜂蜜煮」は、ほんのりとコニャックが香る大人味。デザートまでたっぷりと秋の実りが盛り沢山。
これだけ食べて飲んでお腹いっぱいになっても、翌朝お腹が空いているのは、健康で上質な料理ばかりだからだと思う今日この頃。今年も必ずお世話になります。
【お店情報】
AUBERGE ANDRA-MONTAGNE 新潟県南魚沼市宮野下1191-1 地図
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