朔月 もち豚蒸篭蒸し (銀座)

寒い日に恋しくなるものの一つは湯気だ。湯気ならば、せいろ蒸しや温かい汁物が真っ先に思い浮かぶ。それなら、ピッタリのランチを思い出した。インズに入る「いちにぃさん」で、大きな豚汁付きのせいろ蒸しだ。だが、店の近くに着いてみると、店先に見えるは人だかり。これは入れそうにないと、回れ右。
さて、他に湯気の料理ってないものか。最初に思い浮かんだのは「岩戸」の豚汁だが、せいろ蒸しなら「朔月」にもあるではないか。朔月は鉄板焼きの店で、ランチタイムは、お好み焼きや、ビーフステーキ、ハンバーグ、しょうが焼きなど多彩なメニューが楽しめる店。この店のトンテキも好きだが、もち豚蒸篭蒸しもお気に入りの一品だ。
せいろ蒸しは、大きな蒸籠にぎっしりと豚肉が敷き詰められていて、その下には、葱や水菜、えのきやしめじなどがふんだんな野菜が控える。野菜を箸でひっぱり出すたびに、湯気がふわりと上がる。この景色は、今日のような寒い日には格別だ。
豚肉に野菜をたっぷりと巻き込んで、一口に頬張る。蒸してあるとはいえ、豚肉はしっかりと旨味があり、さっぱりとしたおろしだれや爽やかな柚子胡椒との相性がいい。それに、ご飯のお供として付いてくる梅干しや柴漬けを、一緒に巻いてみるのもオツなもの。

小鉢が毎回違うというのも、楽しみの一つだ。今日は、平目の昆布巻きにいくらが添えられた、正月のような華やかな一品が出てきた。これを酒なしで味わうというのは…と心の中で思いつつも、その味は申し分なし。ご常連の方々がひっきりなしに訪れ、あちらこちらで挨拶が交わされている。このような年始ならではの温かな雰囲気もまた、良いもので。
【お店情報】
朔月 銀座3-3-14 銀座グランディアⅡ 9F 地図
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