長寿庵 せりそば (荻窪)

天気はいいが、風がなんとも冷たい今日。こんな日に食べに行こうと宿題にしている店があった。荻窪駅北口、教会通りにある「長寿庵」。銀座一丁目の長寿庵には馴染みがあるが、こちらも地元に根差した老舗の町蕎麦の店だ。
訪ねたかった理由は、鍋焼きうどんを始めとする熱々のうどんメニューが多いこと。味噌煮込みうどんに、ほうとう、豚キムチうどんなど、これほど種類が揃う店は珍しい。それを目当てに店へ向かったはずだが、店頭で目にした「せりそば」に文字に心が揺らぐ。
結局お願いしたのは、せりそばだ。大好きだけれど、出社時でなければ食べる機会がないと思っていた一杯。しかも季節限定とくれば、抗うのは難しい。
暖簾をくぐると、既に何組かの先客が。中には、サワーや日本酒を傍らにという方も何人か。話には聞いていたが、壁に貼られた品書きの半分ほどは、日本酒とつまみのメニュー。蕎麦前を楽しむ方が多いというのも頷ける。
感心していると、「お待たせしました~」とせりそばが届く。届いた途端、ふわりと芹の香りが立ち上る。芹とそばを箸でつまんで啜ると、シャクシャクとした食感ともに、香りが一層際立つ。それに東京らしい蕎麦汁と芹の相性も申し分ない。
芹は日によって産地が異なるようで、根っこが入る日もあれば、今日のように入らない日もあるらしい。今日は少し残念だが、在宅勤務の日でもせりそばが食べられるのは、素晴らしい発見。いつ頃まで出ているか、要チェックだ。
【お店情報】
天沼 長寿庵 天沼3-27-7 地図
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