阿波や壱兆 すだちそうめん （阿佐ヶ谷）

容赦のない暑さに、今日はこれを食べると決めていた。半田そうめんの専門店、阿波や壱兆のすだちそうめん。メニューとしては少し前から出ていたが、今日みたいなそうめん日和を待っていたんだ。

店に来ると、空席はわずか１席。ギリギリだった。この暑さで、皆そうめんを求めるたくなるようだ。しかも聞いていると、皆、冷たいそうめんばかり。

奥の厨房から、ザバザバと麺を洗う音が響いてくる。喉越しのよい冷たい麺と冷たい出汁を想像して、迎える準備はもう万端。

カウンター越しに届いたどんぶり。目の前に据えると、鼻を擽るすだちの爽やかな香り。はぁ、これこれ。一面にあしらわれた極薄切りのすだちと、そこから透けて見える出汁と白い麺。受け取ったどんぶりも冷たくて、もう旨い。

先ずはと出汁をひと口、ひんやりすっきりとした出汁が喉から胃へと駆け抜ける。すだちの風味がふわりとするところも堪らない。つい、もう一口、さらにもう一口。そして、そうめんの艶やかで滑らかでつるつるの喉越しと、むっちりとしたコシ。爽やかさと食べ心地のよさが口いっぱいに広がる。

今日みたいな日はやはりこれだ。すだちそばも好きだが、この出汁と麺の喉越しは、このそうめんならでは。日本の夏を彩る、代えのきかない一杯だ。

【お店情報】
阿波や壱兆 バイパス店　阿佐谷南3-2-3 ローレルビル 1F　地図