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2025年10月 5日

米平 (青森)

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今年は、お父さんと息子さんのそろい踏み。透明感あるおでんと美味いフライも健在。

観光客が多い青森市の中心街からは少し離れた場所に、今年も変わらずその暖簾がかかる。ここを訪ねなくては青森に来たとはいえないくらいにすっかりこの店のファンだ。いつもより少し遅い19時、店に着くとすでに友人や家族連れなどで賑わい、先輩方がフライやとんかつをペロリと平らげる姿も毎年の恒例だ。

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ここでは先ずはおでんから。米平のおでんの魅力は、何といっても美しい出汁。透明感のある、醤油らしい色味が極薄い綺麗な出汁で、雑味なく、それでいて旨味が深い。だからこそ、車麩や大根など、出汁を吸うおでん種は欠かせない。ひたひたとたっぷり出汁を吸った車麩を口にすれば、むっちりとろとろ。噛むたびに出汁がじゅわりじゅわり。思わずため息がこぼれる。


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それに、好きなのは蒟蒻や、立派なつぶ貝、蕨や白滝などがぎっしりと詰まった巾着。齧りつくと、出汁がほとばしり、噛むほどに、ぷりぷりシャクシャクの歯触り。感じるのは、美味しさの中にある繊細さと品の良さ。
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そしてお待ちかねのフライ。今年はどうしてもロースかつが食べたかったんだ。それにもう一皿合わせるとしたら、やはり海老や帆立などの海鮮かと思ったけれど、決め切れずにミックスフライを。先ずは目当てのロースとんかつ。軽い衣に、しっとりと柔らかい肉。噛みしめるとじわじわと広がる脂の旨味。「とんかつってこんなに美味しかったんだ」と改めて想う。

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続いてミックスフライ。ヒレかつに海老フライ、帆立フライの盛り合わせだ。注文が入ってから、肉や帆立を切って、衣をまとわせ揚げていく。香ばしい衣と絶妙な揚げ加減、付け合わせの美しさも健在。何より、盛り付けが終わり、皿を運んできてくれたときのお父さんのうれしそうな笑顔。この一瞬にこの店の温もりが詰まっている。

地酒の品揃えも見事。青森を中心に全国の銘酒が揃い、その豊かさにまた驚かされる。どうか来年も、この空間で変わらぬ夏の夜を迎えられますよう。

【お店情報】
米平 青森市中央4-9-6 地図

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