向井酒の店 (伊勢)

先日、伊勢に帰省した際向かったのは、昨年も訪ねた「向井酒の店」。新しい店も気にはなったが、近所に住んでいたら通い詰めたいと思う程の魅力に、やはりもう一度足を運びたくなった。

伊勢で生まれ育ったが、大学進学と同時に実家を離れたから、伊勢の酒場を知ったのは、随分と大人になってからのこと。向井酒の店も、話に聞いてずっと憧れていた店だ。伊勢市駅から徒歩圏内だか住宅地の中。昔は立ち飲みを併設した酒屋だったが、戦後に居酒屋にしたと聞く。歴史ある店らしい外観から、いい雰囲気が伝わって来る。

真冬のような寒さに、求めるのは温まるもの。近所の街蕎麦の鍋焼きうどんも気になっているが、以前フォーハノイに伺ったときに気になった、生姜のフォーを思い出した。温かいスープも然ることながら、生姜でぽかぽかになるかもしれない。
雨の中伺って、メニューを開くと、生姜のフォーはなくなっている。代わりに、季節限定メニューとして見つけたのが、ボーコー。ベトナム流のビーフシチューと紹介される料理。今はもうなくなってしまった銀座にあったベトナム料理店で、ボーコーのフォーを頂いたことがあって、とても美味しかった記憶がある。すっかり忘れていたが、今日はこれに出会うために、ここに来たのだと思う。
フォーボーコーもあるが、ボーコーにバインミーのセットもあって、今日はそちらをお願いする。一度食べてみたかったんだ。ボーコーにパンを浸したもの。ビーフシチューと云うが、スープはサラサラとして、八角やシナモンなどアジア的なスパイス感。西洋料理のシチューとは全く別物。そこにふわふわのバインミーを浸すとじゅわっと染みて、これは好い。バインミーも軽くて、ペロッと無くなってしまった。
定番のランチメニューも好きだが、すっかり季節限定メニューのファン。寒い季節の間には、これがまだあるだろうか。これでフォーも食べてみたい。
【お店情報】
フォーハノイ キッチン&カフェ 阿佐谷南3-2-3 地図
伊勢うどんのみなみ製麺のFBページで、銀座に伊勢うどんを出す店が出来ると知る。しかも、都内で販売されているのを良く見るロングライフ麺や冷凍麺ではなく、地元民に馴染み深いチルド麺(生麺)だという。それは食べに行かなくては!と早速やって来た。
場所は銀座六丁目。稲庭うどんの佐藤養助の斜向かい、或いは、泰明庵の裏あたり。新規開店を知らせる花輪が沢山並んでいて、呼び込みの店員さんも見える。ISE-UDON BARとあるように、店内は確かにバーらしい造り。けれども、11時から翌朝6時までという驚きの営業時間で、昼ごはんも食べられる。
あったらいいなと思っていた、普通の伊勢うどん単品というものはなく、いろんなトッピングが載った伊勢うどんに、松茸ご飯、サラダ、味噌汁がつくというセットのみ。伊勢うどんは、青葱と七味で食べるものが持論なもので、トッピングを外しやすそうなものから、永光卵の天ぷらうどん(951円)をお願いする。
作るところを見ていると、確かに横綱ブランドの懐かしいチルド麺。慣れ親しんだ人なら興奮すること間違いない。ゆで上がった麺にたれをかけて、玉子の天ぷらをのせてやって来た。
そうそう。柔らかくもっちり感ある横綱のうどん。一味を持ってきてくれたのも嬉しいところだ。玉子の天ぷらは、予想外の2個付き。ご飯のおかずにしてしまったが、両方とも半熟。濃厚な黄身がとろりと流れて、伊勢うどんに玉子を入れて食べるのが好きな方なら、これもおすすめかもしれない。
伊勢うどんの他には、伊勢まぐろを使った肴メニューも揃っていて、夜の様子も気になるところ。願わくば、普通の伊勢うどん単品を出してくれると嬉しいけれど、兎に角、頑張ってほしいの一言。期待しています。
【お店情報】
ISE-UDON BAR 伊勢物語 銀座6-3-7 AOKI TOWER 1F 地図
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大学生になって伊勢の実家を出たとき、まず思ったことは、伊勢うどんが食べたいときに簡単に食べられないこと。最近は、むらからまちから館などで購入することもできるし、通販も充実してきて不自由することはなくなったが、それでも、外で食べられる場所は限られてしまう。
どうしても今食べたいと、向かったのは「花大根」。箸が充実した「銀座夏野」の地階。昔は同じビルにあった「池尾」で伊勢うどんが食べることができたのを覚えている方もいらっしゃると思うが、皆同じグループ企業による運営だ。
伊勢うどんのメニューは、野菜(800円)か和牛(1,000円)の小鉢付き。七味をかけ、ぐるりとかき混ぜて食べる伊勢うどんは、自分の好みよりもややしっかりしたタイプの伊勢うどん。地元でもやわらかさには好みがあり、それに応じて好きな製麺所があったりする。ちなみに、自分は山口製麺(リンク先音注意)派で、母はややしっかりめのみなみ製麺派だ。
なお、こちらの伊勢うどんは、通常は温泉玉子がのった状態で提供。「伊勢うどんはネギと七味」で育ったせいか、玉子がのった伊勢うどんが苦手のため、別にしてもらえるか訪ねたところ快諾いただき、その上、温泉玉子用の出汁醤油まで用意して下さるという嬉しい心遣い。
セットの野菜の小鉢は、胡瓜やオクラなど夏野菜をひんやりした出汁と合わせたもので、清涼感のある一皿。これらに、セルフサービスのサラダとコーヒー、シャーベット、更には、使った箸と「乾漆器箸」の引換券のお土産付きと、箸専門店らしいサービス付き。
【お店情報】
銀座 花大根 銀座6-7-4 銀座タカハシビル地下1階 地図
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昔から食べていたものが、実は地域独特のものだったなんてことは、よくある話。私の場合、うどんはタレで食べるものだったし、『さめのたれ』もそう。そのため、実家に帰ったり、母が上京したりするときに、食べたいと思うもの。先日、母の上京の折、『なんかほしいもん、ある?」というから、「さめんたれ持って来て」と頼んだ。
『さめのたれ』とは、鮫の干物。『伊勢の鮫食い』という言葉があるらしいが、伊勢・鳥羽地方では、古くからサメを食べる文化がある。鮫の肉をかまぼこ等加工して食することは一般的だし、生の鮫肉を焼いたり煮たりすることもあるらしいが、それが伊勢では干物。もともとは伊勢神宮へのお供え物が起源らしい。私の地元では『さめんたれ』と呼び、普通にスーパーで販売されていたから、普通に食卓にのぼっていた。
そんな『さめのたれ』は、塩とみりん干しの2種類。軽く炙って食べるのが一般的で、塩とみりん干しのどっちが好きかは、好みが分かれるところ。
塩蔵(冒頭写真)は古くから作られていたスタイル。身が厚めで、鮫肉を食べている感が強いのがこちら。肉質としては繊維が強く、キュュッと詰まった感じ。歯によく挟まったり。
味醂干しの方は焦げやすいので、焼く際には要注意だが、香ばしい香りとしっかりと染み込んだ甘みがたまらない。
個人的には、味は塩。でも、炙ったときのみりん干しの香りは、『これぞさめんたれ!』で、結局甲乙つけがたいんだよな、これが。
甘いものや炭水化物が多い伊勢名物の中、酒呑みな方には、オススメのお土産。おかげ横丁では、たしか試食晩販売をしているハズなので、ぜひお試しあれ。
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