2025年2月 6日

中村家 牡蠣ちり鍋 (築地)

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寒い季節に暖まるメニューといえば、築地の「中村家」の鍋料理だ。もはや「すき焼き」の肉豆腐に牡蠣ちり、湯豆腐にちゃんこ、牛しゃぶとあったかメニューが勢揃い。先日は肉豆腐をいただいたから、今日は牡蠣ちりと決めて、中村家へ向かう。

すっかり人気店となったこの店は、3階席まで店がある。きっと入れるだろうとやって来ると、1階席は当然満席。階段を上って2階へ来ると、1卓を覗いて大入り満員。「相席になるかもしれませんが…」と言われて腰をかけると、3分と経たずに相席となった。

店内はてんやわんや。やはり鍋料理の注文が次々と入っているようで、いつもより少し時間はかかったが、待ちに待った定食が運ばれてきた。簡易コンロに載った鍋は熱々で、蓋を取ると、中にはぷっくりとした牡蠣がズラリと並ぶ。久しぶり、合いたかった。

熱が入って、少し縮んで白みが濃くなった牡蠣を掬って、ポン酢に潜らせて一口。口いっぱいに広がるぷりぷり感。仄かな潮の香りにポン酢が味を引き締めて、なんだか飲りたくなってくる。それにしても、火を入れても大きく縮まない牡蠣が堪らない。

豆腐にしめじ、葱、白菜もたっぷり。ごまの風味が豊かな美味しいごまダレも用意されているから、アレコレと楽しめるところ好い。一鍋食べ終わるころには、身体の芯からポカポカ。今日のような寒い日には格別だ。

ついつい肉豆腐と牡蠣ちりばかりに目が行ってしまって、他の鍋料理はまだ食べたことがない。今シーズン中にまた来ようと思いを新たにする。

【お店情報】
中村家 築地1-4-9 地図

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2025年2月 5日

豊年屋 鍋焼きうどん (阿佐ヶ谷)

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益々募る寒さに、欲したのは鍋焼きうどん。立ち上る湯気に、熱々のうどんと豊富な具。想像するだけで幸せな光景だ。幸い近くには、鍋焼きうどんを出す蕎麦屋が数軒ある。それぞれの店の定休日を思い出しながら、今日はやっているはずと向かったのは「豊年屋」。杉並区役所の斜向かいにある町蕎麦屋だ。

暖簾をくぐると、ほぼ満席。近くに勤めているだろうグループや、近くにお住まいと思わしき先輩方。慣れ親しんだ空気が温かい。1卓だけ残っていた小上がりに腰を落ち着け、お水を持ってきてくれたタイミングで、即鍋焼きうどんをお願いする。

しばらく待つと、鍋焼きうどんがやって来た。店の方がそっと蓋を開けると、ふわっと湯気が立ち上がる。あゝ温かい。そして蕎麦屋らしい出汁と醤油の香り。グツグツと沸く汁の中には、蒲鉾になると、玉子焼き。麩に椎茸、豚肉、若芽。それに立派な海老の天ぷらも加わり盛り沢山。海老の天ぷらはここの人気の一つ。花揚げにした衣が汁に合うし、海老も誠実な食べ応え。江戸前らしい汁が、うどんや具材に染みこんで、なんとも言えず温かい。

自分と同じように、鍋焼きうどんを食べる方、カレー南蛮の方。あの海老天が2本に蕎麦が付く天丼を楽しむ方。それぞれにゆったりと愉しんでる雰囲気も好い。野菜の煮物やもつ煮などもあり、酒を飲りつつ、まったりと過ごしてみるのもいいかもなぁ。

【お店情報】
豊年屋 成田東4-37-10 地図

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2025年2月 4日

柿右衛門 若鶏のすき焼き御膳 (阿佐ヶ谷)

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今週は寒波が続くそうだから、気になっていた温ったかメニューを探訪しようと心に決める。今日向かったのは、阿佐ヶ谷のすずらん通りにある「柿右衛門」。ひつまぶしのように薬味や出汁で食べるどんぶりや、蕎麦を出す店だが、気になっていたのは、若鶏のすき焼き御膳。暑い季節はメニューから外れることもあり、行こう行こうと思いつつも、未だ食べたことがないメニュー。

いつも近隣に勤めていそうな女性客が多いが、少し時間が早いこともあって、先客は男性がお一人だけ。案内されたカウンター席で待っていると、ほどなくしてすき焼き御膳が届く。簡易コンロに一人用のすき焼き鍋が置かれていて、「鶏肉ですので、しっかりと火を通してくださいね」と案内される。生卵を溶きながら、全体に火が通るのを待って、いただきます。

鶏肉の他、焼き豆腐や麩、白滝にしめじ、春菊、白菜、牛蒡など具沢山。甘辛い味付けのところに、溶いた玉子につけてズルリ。追いかけるようにご飯をパクリ。また、ズルリ。特に、甘辛さが染みた牛蒡の香りとシャクシャクとした食感がとても好きだ。

出汁巻き玉子や煮物、漬物、蕎麦がセットと充実の内容。熱々はもちろんのこと、こっくりした味わいが、寒い日にとても合う。

【お店情報】
柿右衛門 阿佐谷南1-10-9 地図

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2025年1月21日

源氏 とろ鯖味噌煮定食 (荻窪)

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煮魚が食べたい。どうしても食べたくて、まず荻窪へ向かうことにした。荻窪駅に南側には魚料理を出す店がいくつか思い浮かぶ。あの辺りなら、どこかで心惹かれる一皿に合えるだろうと思ってのこと。

店を2、3軒回ってみる。日替わりなどを確認して、結局やって来たのは「源氏」。海鮮ちらしや刺身定食、焼魚、煮魚、フライと、昼時には魚料理がなんでも揃う頼もしい店。今日の日替わりの煮魚定食は「とろ鯖の味噌煮」とのことで、迷わすそれをお願いする。

やがて運ばれてきた定食の主役は、もちろん鯖の味噌煮。赤味噌文化で育ったせいか、鯖の味噌煮と聞くと濃い色合いの味噌煮を思い浮かべるが、この鯖味噌は、ずいぶんとやさしい色合い。食べてみると塩気はあるものの、仄かに甘さのあるやさしい味わい。こういう柔らかな味わいの味噌煮を食べてこなかったが、こういう味噌煮も好いものだと思わせる一品。

海鮮ちらしやねぎとろ丼などは、早々に売り切れることが多いが、今日は鯖味噌も売り切れる人気ぶり。それに、ご飯に味噌汁、お浸しにサラダ、香の物付きと、脇役の充実ぶりの安定の定食もお見事。こんな店が近くにある街は、やはり心強い。

【お店情報】
日本料理 源氏 荻窪5-23-8 地図

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2025年1月 9日

朔月 もち豚蒸篭蒸し (銀座)

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寒い日に恋しくなるものの一つは湯気だ。湯気ならば、せいろ蒸しや温かい汁物が真っ先に思い浮かぶ。それなら、ピッタリのランチを思い出した。インズに入る「いちにぃさん」で、大きな豚汁付きのせいろ蒸しだ。だが、店の近くに着いてみると、店先に見えるは人だかり。これは入れそうにないと、回れ右。

さて、他に湯気の料理ってないものか。最初に思い浮かんだのは「岩戸」の豚汁だが、せいろ蒸しなら「朔月」にもあるではないか。朔月は鉄板焼きの店で、ランチタイムは、お好み焼きや、ビーフステーキ、ハンバーグ、しょうが焼きなど多彩なメニューが楽しめる店。この店のトンテキも好きだが、もち豚蒸篭蒸しもお気に入りの一品だ。

せいろ蒸しは、大きな蒸籠にぎっしりと豚肉が敷き詰められていて、その下には、葱や水菜、えのきやしめじなどがふんだんな野菜が控える。野菜を箸でひっぱり出すたびに、湯気がふわりと上がる。この景色は、今日のような寒い日には格別だ。

豚肉に野菜をたっぷりと巻き込んで、一口に頬張る。蒸してあるとはいえ、豚肉はしっかりと旨味があり、さっぱりとしたおろしだれや爽やかな柚子胡椒との相性がいい。それに、ご飯のお供として付いてくる梅干しや柴漬けを、一緒に巻いてみるのもオツなもの。

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小鉢が毎回違うというのも、楽しみの一つだ。今日は、平目の昆布巻きにいくらが添えられた、正月のような華やかな一品が出てきた。これを酒なしで味わうというのは…と心の中で思いつつも、その味は申し分なし。ご常連の方々がひっきりなしに訪れ、あちらこちらで挨拶が交わされている。このような年始ならではの温かな雰囲気もまた、良いもので。

【お店情報】
朔月 銀座3-3-14 銀座グランディアⅡ 9F 地図

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2025年1月 7日

瓜坊 チキングラタン定食 (荻窪)

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年末に挨拶がてら来るつもりだったけれど、バタバタして来ることが叶わなかった瓜坊。だから、年始の挨拶を兼ねて今日やってきた。料理のカテゴリーに拘らない、定食がいつも6種類ほど揃う店。それに、美味い味噌汁と豊富な副菜も魅力だ。

店先に置かれた本日のメニューを一眺め。気になるのはグリーンカレーにチキングラタン。それに、何度かいただいた納豆オムレツも並んでいる。久しぶりに納豆オムレツもいいが、この寒さならグラタンもいいなぁと思いながら店に入る。

先客が召し上がっているのはグリーンカレー。今時期カレーを食べたくなるよね。けれども昨日はカオソイだったし、チキングラタンはここでは食べたことがないはず。それなら、お願いするのはグラタンだ。

注文を済ませると、店主が手際よくグラタンの調理を始め、並行して副菜を並べていく。ご飯に焼き立てのグラタン、そして湯気が立つ味噌汁が揃ったら、できあがり。

「熱いのでお気をつけて」と運ばれてきたグラタン皿は、見るからに熱々でソースがクツクツ。それに焼けた香りが食欲をそそる。スプーンを差し入れて持ち上げると、プリンとした鶏肉に絡むホワイトソースと白菜。濃厚でありながら、副菜や味噌汁との相性の良いという面白さ。そして何より、焼けたチーズの香ばしさが堪らない。

そして大ファンの味噌汁。今日も透明感のある好きな味わい。そういえば店主は福島のご出身で、夜には福島の郷土料理「こづゆ」を出しているそう。この味噌汁は、どこかこづゆの滋味深さを感じさせる気がする。だからこそ、この店の味噌汁が特別に好きなのかもしれない。

【お店情報】
瓜坊 荻窪5-23-6 地図

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2024年12月27日

阿波や壱兆 鴨南蛮そうめん (阿佐ヶ谷)

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今日は在宅で仕事納め。忙しなくなることを見越して、今日のランチは予め決めていた。それは愛しの半田そうめんの専門店「阿波や壱兆」の鴨南蛮そうめん。昨年の冬に季節限定で登場したこのそうめんがあまりに美味しくて、今シーズンも出してくれないだろうかと思っていたところ、店のInstagramで先日から始まったことを知り、食べに行こうと決めていた。

恐らく今日の一番客。厨房に火が入ると途端に空気が温かくなる。そうめんを茹でたり、葱を切ったり音が聞こえ始めると、店の息吹が色濃くなる。

しばらくして届いたのが、いつもより少し濃いめの出汁のそうめん。先ずはと出汁を一口含むと、甘辛さに、鴨の脂やその旨味を吸った葱の香りがじわりと沁み渡る。そこへそうめんをズズッと。この出汁は、蕎麦はもちろんだが、細麺でコシの強い半田そうめんにもぴったりだ。

そして、芳ばしい香りと脂の美味い鴨肉に、その旨味を吸った焼いた葱も主役級の美味しさ。添えられた酢橘が全体を爽やかに引き締めてくれるいいアクセント。

やはり昨シーズン人気だったようで、今シーズンは3月頃までメニューに載せる予定とのこと。すでにファンの方はもちろん、まだ食べたことがない方にもぜひとおすすめしたい一品。自分も、近いうちに伺うこと間違いなし。

【お店情報】
阿波や壱兆 バイパス店 阿佐谷南3-2-3 ローレルビル 1F 地図

【ご挨拶】
今年もご覧いただき、ありがとうございます。本年のランチ記事は今日でおしまいです。ブログを始めたのは2004年10月。あっという間の20年でした。ブログを通して多くの方とお会いし、貴重な機会をいただけたこと、心より感謝申し上げます。生活に多少の変化はありますが、美味しいものへの欲は変わりません。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

年末年始は特に旅行などの予定はありませんが、気になっているお店や大好きな店をいくつか予約しており、それをとても楽しみにしています。投稿は、XInstagramが早いと思いますので、ぜひチェックしてみてください。そして、皆さま、どうぞ佳い年をお迎えください。

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2024年12月18日

よし田 牡蛎南ばん (銀座)

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昨晩から今日出社したら何を食べようかと悩んでいた。カキフライも食べたいし、グラタンやオニオングラタンスープもこの季節にぴったり。オムレツもいいし、年末の挨拶も兼ねてお気に入りのビストロに行くことも考えた。結局決めたのは、「よし田」の「牡蛎南ばん」だ。

店に着くと、12時前にもかかわらず、席はかなり埋まっている。しかも、ビールや蕎麦湯割り、鍋を楽しむ方々が半分近くを占めていて、これぞよし田という風景だ。

こちらの牡蛎南ばんの特長の一つは、立派な牡蛎にある。火が入っているにも関わらず、ぷっくり丸々としてはち切れんばかり。大きさも然ることながら、旨味も立派。齧り付くと、ぷりんと身が弾けて、潮の香りと出汁が染みた牡蛎の身の旨味が口いっぱいに溢れ出る。

もう一つの特長が、関東風と関西風の汁が選べること。最近は関東風が好みで専らこちら。関東風らしい醤油が利いた汁が牡蛎に染みこんだところが好きなんだ。若芽やとろりと柔らかくなった葱も絶妙な名脇役。

12時を過ぎると、近くにお勤めらしい方々が続々とやって来て、店内は好き賑わい。年末も近い。

【お店情報】
そば所 よし田 銀座6-4-12 KNビル 2F 地図

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2024年12月17日

源氏 真いわしつみれ鍋 (荻窪)

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暦をみれば、もう年内に平日ランチが出来る日も残りわずか。お気に入りの店に顔を出しておきたいし、今日の気分的には和食。それもできれば魚が食べたい。それで、とりあえず荻窪までやって来た。

少し久しぶりの「おにぎりのさんかく山」には長い行列。それならと、魚料理が豊富な「源氏」に向かうと、店先のランチメニューに、真いわしつみれ鍋を見つけた。しかも、つなぎなしの「鰯100%」と書いてある。今日はこれに決まりだ。

ランチタイムには混み合うことが多い店だが、いつもより落ち着いていて、空いていたカウンター席に腰を下ろす。注文は決まっている。お茶とおしぼりを持ってきていただいたところで、すぐに注文。

海鮮丼などに比べると少し時間はかかるが、熱々を待つ時間もまたお楽しみの一つだ。運ばれてきた鍋は、グツグツと沸いていて湯気が立ち上がる。春菊がこんもり乗った鍋の中には、白菜や葱、豆腐に、メインの真いわしのつみれ。想像以上にたくさん入っているのがうれしい。

そのつみれは柔らかく、口にするとほろほろと崩れ、鰯の風味がしっかりと広がる。口の中から消えても残り香が品よく漂い、その存在を感じさせてくれる。あっさり塩味のスープに、添えられているゆず胡椒を加えると風味がさらに引き立って好い。

おひたしにサラダ、ごはん、漬物と定番のセットと共に大満足。特に魚が食べたいとき、この店の存在は本当にありがたい。来年もきっとお世話になります。

【お店情報】
日本料理 源氏 荻窪5-23-8 地図

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2024年12月13日

すずらん 具だくさん豚汁定食 (荻窪)

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寒い朝。それに、昨晩は恩師の引退パーティーがあって、体に染みる具沢山の汁物で温まりたい。そんなとき、すずらんの日替わりに「具だくさん豚汁定食」を見つけたら、いそいそと出かけてしまう。

引戸を開けると、「いらっしゃいませ!」という元気な声が飛び込んでくる。「カウンターにどうぞ」と案内されるが、今日はいつも以上にカウンターが埋まっている。店が賑わっているのは良いことだ。

食べたいものは決まっているが、念のためと品書きを見ると、おや、真いわしのフライもあるし、太刀魚の塩焼きもある。どれも旨かったなぁ…と思い出すが、今日はどうしたって豚汁だと決まっている。

ほどなくして定食が届く。そうそうこれこれ。ゴロゴロと大振りの具がたっぷりと愛って、まさに具だくさん。しかも、うどんなどが出されるような大きな器にたっぷりと。先ずはと汁を一口飲むと、温かくてほんのり甘めの、どこかやさしい味が染みる。具は豚肉のほか、豆腐に大根、人参、牛蒡、椎茸、蒟蒻と定番どころが盛り沢山。

豚汁の面白さは、どの店でも微妙に味が違うこと。味噌や出汁の種類はもちろん、具の切り方や煮込む時間の違いがその店独自の味を作ると思うと、ますます豚汁に興味が湧いてくる。

しらすおろしに、今日の小鉢は、たっぷりとしたきのこや根菜類の煮物。ご飯に漬物で一揃え。今日はこれを見つけて大正解。一方で、12時を回って続々と入って来るお客さんは、皆口々に「大エビ梅しそフライ」を注文。なるほど、海老フライの梅しそ味って新しいかも。次回以降の宿題だ。

【お店情報】
一膳めし屋 すずらん 荻窪5-11-12 荻窪マンション 1F 地図

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