長生庵 牡蠣天そば (築地)

築地で所用を済ませた昼過ぎ。当初は気になっていた店でカキフライをと考えていたが、生憎今日は限定メニューのみで目当ての品がない。さて、どうしたものか。
「牡蠣」というキーワードで考えを巡らせれば、蜂の子のカキフライや中村家のかきしゃぶも頭をよぎるが、今シーズンまだ口にしていない大好きな一品を思い出した。長生庵の牡蠣そばだ。
店前へ向かうと、幸いなことに外までの行列はない。勢いよく扉を開けると、先客が一人待っているのみ。その後ろに付いて外で待機していると、あっという間に私の後ろにも列が伸び始めた。10分ほどして案内された店内は、1時半を過ぎているというのに大盛況。まだ年始休みの方や、海外からの観光客が嗜む酒が羨ましく映る。
品書きにある今日の牡蠣は、「牡蠣天そば」か「牡蠣天カレーそば」。この店のカレーそばも好物だが、あの衣に蕎麦汁がじゅわっと染みた瞬間を想像すると、今日は「牡蠣天そば」一択だ。
運ばれてきた正月らしい器には、見事な大きさの牡蠣天が2つ。 箸で持ち上げるのがやっとという程の重量感。格闘している間にも、サクサクの衣に琥珀色の汁が刻一刻と染みていく。がぶりと齧りつくと、サクッとした衣から出汁が染みだし、後から牡蠣の旨味がグッと来る。
この衣と、出汁のバランスが絶妙な汁との相性が、やはり堪らない。出汁を吸って少しへたった衣の美味しさは、素材の良さと汁の完成度があってこそ。そこへ時折、三つ葉や柚子の香りが入るのも好い。
帰りには、思わぬお年賀として焼海苔までいただいて。ふと品書きの端に目をやれば、真冬の最中とはいえ、春野菜の天ぷらも顔を出し始めていた。 次は何時、何を。次はどの季節の味をこの汁で楽しもうか。店を出るそばから、早くも次のスケジュールを調整したくて仕方がなくなっている。
【お店情報】
長生庵 築地4-14-1 モンテベルデ 1F 地図











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