2025年2月 5日

豊年屋 鍋焼きうどん (阿佐ヶ谷)

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益々募る寒さに、欲したのは鍋焼きうどん。立ち上る湯気に、熱々のうどんと豊富な具。想像するだけで幸せな光景だ。幸い近くには、鍋焼きうどんを出す蕎麦屋が数軒ある。それぞれの店の定休日を思い出しながら、今日はやっているはずと向かったのは「豊年屋」。杉並区役所の斜向かいにある町蕎麦屋だ。

暖簾をくぐると、ほぼ満席。近くに勤めているだろうグループや、近くにお住まいと思わしき先輩方。慣れ親しんだ空気が温かい。1卓だけ残っていた小上がりに腰を落ち着け、お水を持ってきてくれたタイミングで、即鍋焼きうどんをお願いする。

しばらく待つと、鍋焼きうどんがやって来た。店の方がそっと蓋を開けると、ふわっと湯気が立ち上がる。あゝ温かい。そして蕎麦屋らしい出汁と醤油の香り。グツグツと沸く汁の中には、蒲鉾になると、玉子焼き。麩に椎茸、豚肉、若芽。それに立派な海老の天ぷらも加わり盛り沢山。海老の天ぷらはここの人気の一つ。花揚げにした衣が汁に合うし、海老も誠実な食べ応え。江戸前らしい汁が、うどんや具材に染みこんで、なんとも言えず温かい。

自分と同じように、鍋焼きうどんを食べる方、カレー南蛮の方。あの海老天が2本に蕎麦が付く天丼を楽しむ方。それぞれにゆったりと愉しんでる雰囲気も好い。野菜の煮物やもつ煮などもあり、酒を飲りつつ、まったりと過ごしてみるのもいいかもなぁ。

【お店情報】
豊年屋 成田東4-37-10 地図

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2025年1月28日

恵 きざみうどん (荻窪)

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荻窪の教会通りにあった、手打ちうどんの店「恵」の新店舗にようやっと。新しい店舗は、青梅街道沿い。閉店したマレーシア料理の名店「馬来風光美食」と同じビルと言えば、分かりやすいかもしれない。

リニューアルオープンは昨年12月。厨房や火力が変わったこともあって慌ただしそうと聞いたものだから、落ち着いた頃を見計らって、今日になったという次第。立派な入口にまず驚くが、店内はシンプルな造り。以前より少し広くなった気はするが、カウンター4席と奥に2~3席と、手狭さは相変わらずだ。

リニューアル直後はメニューを絞っていたと聞いたが、今日訪ねたところ、随分戻っている様子。中でも大好物の「きざみうどん」が復活していたから、迷わずこれをお願いする。

「お待たせしました」と運ばれてきたのは、まさに食べたかったあの姿。熱々の醤油の主張が控えめな出汁に刻んだ油揚げとくたくたの葱。そこにむっちりとした手打ちうどん。

先ずは出汁を一口。熱々の出汁が広がると、やわらかくなった葱の甘みや風味がじんわりと押し寄せる。続に、葱と油揚げをつまんで口に運ぶと、くったりとした葱の甘味と風味、それを吸った油揚げの絶妙なトライアングル。

主役のうどんは太めの手打ち麺。むっちりとした弾力とコシ、噛んでいると小麦が広がってくるところと、出汁との相性がとても好み。そして、切り盛りするお母さんと息子さんが織りなす絶妙の雰囲気も大好きだ。新店舗でもまた、お世話になります。

【お店情報】
手打ちうどん 恵 天沼2-3-7 さかいビル 1F 地図

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2025年1月15日

豊年屋 カレー南蛮そば (阿佐ヶ谷)

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朝からどうにもカレー口。午後一に打ち合わせを控えているため、サクッと「豊年屋」でカレー南蛮そばにしようと外に出る。昨日までの寒さが嘘のような暖かな陽気。カレー南蛮といえば、粘度のあるカレーで温まるものだけれど、カレー南蛮そばの記憶が離れず、そのまま足を店へ向けた。

杉並区役所のほぼ目の前。店の傍を通ると出汁の良い香りがする、地元に根差した街の店。12時には少し早い時間帯だったためか、店内は少々のんびりムード。時代が付いた店内も落ち着いていて、ゆったりとして居心地がいい。

そうこうしているうちに、カレー南蛮が届く。粘度のあるカレーの表面に、小さな泡がポコリと浮かぶ。箸を入れて蕎麦を持ち上げると、立ち上がる湯気とともに、カレーの香りが鼻腔をくすぐる。ズズッと啜り上げると、カレーの香りと共に出汁や醤油の香り。それに葱の甘さがやわらかく広がる。スパイスの刺激は穏やかで、むしろそれが感じ好い。

特筆すべきは、立派な豚肉。しっかりと厚みと脂のついた豚肉が5~6枚入って食べ応えも十分で滋養も満点。

カレー南蛮の温かさだけでなく、街に愛される蕎麦屋の雰囲気に気持ちまでも温まる。周りの声に耳を傾けると、今日は不思議とカレー南蛮やカレー丼が人気らしい。なんだかこの空間に親しみがわいてくる。

【お店情報】
豊年屋 成田東4-37-10 地図

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2024年12月27日

阿波や壱兆 鴨南蛮そうめん (阿佐ヶ谷)

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今日は在宅で仕事納め。忙しなくなることを見越して、今日のランチは予め決めていた。それは愛しの半田そうめんの専門店「阿波や壱兆」の鴨南蛮そうめん。昨年の冬に季節限定で登場したこのそうめんがあまりに美味しくて、今シーズンも出してくれないだろうかと思っていたところ、店のInstagramで先日から始まったことを知り、食べに行こうと決めていた。

恐らく今日の一番客。厨房に火が入ると途端に空気が温かくなる。そうめんを茹でたり、葱を切ったり音が聞こえ始めると、店の息吹が色濃くなる。

しばらくして届いたのが、いつもより少し濃いめの出汁のそうめん。先ずはと出汁を一口含むと、甘辛さに、鴨の脂やその旨味を吸った葱の香りがじわりと沁み渡る。そこへそうめんをズズッと。この出汁は、蕎麦はもちろんだが、細麺でコシの強い半田そうめんにもぴったりだ。

そして、芳ばしい香りと脂の美味い鴨肉に、その旨味を吸った焼いた葱も主役級の美味しさ。添えられた酢橘が全体を爽やかに引き締めてくれるいいアクセント。

やはり昨シーズン人気だったようで、今シーズンは3月頃までメニューに載せる予定とのこと。すでにファンの方はもちろん、まだ食べたことがない方にもぜひとおすすめしたい一品。自分も、近いうちに伺うこと間違いなし。

【お店情報】
阿波や壱兆 バイパス店 阿佐谷南3-2-3 ローレルビル 1F 地図

【ご挨拶】
今年もご覧いただき、ありがとうございます。本年のランチ記事は今日でおしまいです。ブログを始めたのは2004年10月。あっという間の20年でした。ブログを通して多くの方とお会いし、貴重な機会をいただけたこと、心より感謝申し上げます。生活に多少の変化はありますが、美味しいものへの欲は変わりません。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

年末年始は特に旅行などの予定はありませんが、気になっているお店や大好きな店をいくつか予約しており、それをとても楽しみにしています。投稿は、XInstagramが早いと思いますので、ぜひチェックしてみてください。そして、皆さま、どうぞ佳い年をお迎えください。

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2024年12月18日

よし田 牡蛎南ばん (銀座)

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昨晩から今日出社したら何を食べようかと悩んでいた。カキフライも食べたいし、グラタンやオニオングラタンスープもこの季節にぴったり。オムレツもいいし、年末の挨拶も兼ねてお気に入りのビストロに行くことも考えた。結局決めたのは、「よし田」の「牡蛎南ばん」だ。

店に着くと、12時前にもかかわらず、席はかなり埋まっている。しかも、ビールや蕎麦湯割り、鍋を楽しむ方々が半分近くを占めていて、これぞよし田という風景だ。

こちらの牡蛎南ばんの特長の一つは、立派な牡蛎にある。火が入っているにも関わらず、ぷっくり丸々としてはち切れんばかり。大きさも然ることながら、旨味も立派。齧り付くと、ぷりんと身が弾けて、潮の香りと出汁が染みた牡蛎の身の旨味が口いっぱいに溢れ出る。

もう一つの特長が、関東風と関西風の汁が選べること。最近は関東風が好みで専らこちら。関東風らしい醤油が利いた汁が牡蛎に染みこんだところが好きなんだ。若芽やとろりと柔らかくなった葱も絶妙な名脇役。

12時を過ぎると、近くにお勤めらしい方々が続々とやって来て、店内は好き賑わい。年末も近い。

【お店情報】
そば所 よし田 銀座6-4-12 KNビル 2F 地図

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2024年12月 6日

阿波や壱兆 鶏肉と薬味野菜のそうめん (阿佐ヶ谷)

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なんだかつるつると麺類が食べたい気分。カレーそばやうどんも頭をよぎったが、今日は外気が比較的暖かく、あっさりした麺もいいなという気分になる。それなら、愛しの半田そうめんの専門店、阿波や壱兆だ。

半田そうめんと一口に言っても、温かいものや冷たいもの、さらには具やスープのバリエーションが豊富で、今日はどれにしようと迷うほど。生憎今日は季節限定メニューがないようだが、定番メニューの中にも、好きなものが幾つかある。

選んだのは「鶏肉と薬味野菜のそうめん」。煮玉子と低温調理された鶏肉が入って、しっかりとボリュームがありそうなのに、食べるとあっさり軽やかなのが、このメニューの魅力の一つ。鶏肉はしっとりと柔らかで食べ応えがあり、出汁醤油が染みた半熟の煮玉子も好い。それに、かいわれ菜に大葉、生姜に葱、茗荷、胡麻等の薬味野菜がたっぷりと。香り豊かで、そうめん一緒に楽しむのはもちろん、鶏肉に巻いて食べてもこれまた美味い。味の濃淡や香りなど、引き出しの数の多さとバランスの好さも魅力の一杯。

ちなみに、この「鶏肉と薬味野菜のそうめん」は豆乳ベースのスープにしても美味い。毎シーズン冬には魅力的な限定メニューが出ることが多いから、次回に期待したい。

【お店情報】
阿波や壱兆 バイパス店 阿佐谷南3-2-3 ローレルビル 1F 地図

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2024年11月24日

やまぶき亭 キノコのおくずかけうーめん (白石)

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憧れの白石温麺は、想像以上に美味しくて人にやさしい。

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2024年10月22日

泰明庵 せりそば (銀座)

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牡蠣の声が聞こえてきたら、芹の季節もやって来たということ。芹といえば、真っ先に思い浮かぶのが、泰明庵のせり入りのそば。そろそろ始まっているはずとやって来る。

泰明通りに入ると、レア天丼の三よしの行列が見えるが、泰明庵はどうだろう。今日は入口が空け放されていて、中を覗くと、比較的余裕があって一安心。腰を下ろしたのは、壁一面の品書きが書かれた短冊の目の前の席。せりそばもあるし、もちろんせりカレーもある。どちらにしようかな…。純粋に芹を楽しむべく、今日はせりそばを。

店の角の席には、ビール片手のご常連。ツマミもたくさんあるし、飲める環境だったら飲みたい気持ちは頗る分かる。

さて、せりそばが届く。丼が目の前に届くと、グッと広がる芹の香り。隣のテーブルの方がこの香りが苦手だったら、ちょっと申し訳なくなるくらいの芳醇。丼に目をやると、鮮やかな緑がこんもりと。先ずは根っこを摘まんで一口。シャクシャクと噛むほどに、口内や鼻腔一杯にさらに強く広がる香り。そこへ蕎麦をズズッと啜り込めば、温かい出汁の香りも相混ざって、幸せ一杯。

次は、せりカレーだろうか。久しぶりにせりせいろもいいかもしれない。それに冬の白菜そば。今年はあるかなぁ。楽しい季節がやって来た。

【お店情報】
泰明庵 銀座6-3-14 地図

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2024年10月16日

阿波や一兆 阿波や壱兆温麺 (阿佐ヶ谷)

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サクッと済ませたい気分と、週末にファンになった白石温麺が頭にちらついて、今日は、阿波や壱兆で半田そうめんだ。

復活メニューとして、サバ缶トマトつけ麺が出ているが、今日は、冷たい麺より温かい麺。王道で大好きな田舎ぶっかけもいいが、今日は、店名を冠した阿波や壱兆温麺にしよう。

すだちそうめんや、薬味野菜としらす、薬味野菜に鶏肉など、比較的あっさり系のメニューが多いが、阿波や壱兆温麺は、豚バラを甘辛く味つけたものと、もやし、葱がセット。

出汁は他のメニューと同じだが、豚肉の甘みがじわじわと出汁に染みてコク味が増す面白さ。黒胡椒やラー油が合いますよとおすすめ頂いたが、特に黒胡椒が好い。豚肉の甘さや脂に、黒胡椒の香りや辛味が利いて、いいアクセント。

そしてそうめんよりも少し太めで、つるつるモチモチの存在感は、やはり好きだ。トッピングも色々あるし、次どうしようかと楽しみで仕方がない。

【お店情報】
阿波や壱兆 バイパス店 阿佐谷南3-2-3 ローレルビル 1F 地図

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2024年9月30日

豊年屋 カレー南蛮そば (阿佐ヶ谷)

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温かい麺が食べたい。出汁の麺もいいけれど、カレーの香りと汁の粘度がほしい気分。それなら、豊年屋でカレー南蛮なんてどうだ。杉並区役所のほぼ目の前。店の傍を通ると出汁の良い香りがする、地元に根差した街のそば屋。

12時にはまだ少し早い時間ということもあって、少々のんびりムード。時代が付いた店内も落ち着いて、ゆったりとして居心地がいい。待っている間にも、ポツポツと客がやって来る。瓶ビールを注文するご夫婦に、お一人の男性客。飲む人が必ずいらっしゃるというのも、この店らしい。

「カレー、お待たせしました~」とカレー南蛮が届く。たちまち立ち上がるカレーの香り。今日はこれが欲しかったんだ。箸を入れて蕎麦を持ち上げると、更に強く広がるカレーの香り。

ズズッと吸い上げると、カレーの香りと共に出汁や醤油の香り、熱が入ってやわらかくなった葱の甘さ。スパイスの刺激は穏やかだが、むしろそれがいい感じ。特筆すべきは、立派な豚肉。しっかりと厚みと脂のついた豚肉が5~6枚入っているのも、お気に入り。

カレー南蛮や、大盛のたぬきそばが人気も日もあるが、今日は大盛のもりそばが人気の様子。品書きを確認する人は多くなく、皆それぞれに定番があるというのが、長年愛されている証。

【お店情報】
豊年屋 成田東4-37-10 地図

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