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2026年1月29日

豊年屋 鍋焼きうどん (阿佐ヶ谷)

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刺すような寒さに、恋しくなったのは「出汁が染みた天ぷら」だ。そう思えば、まず浮かぶのは天ぷらそばだが、この底冷えとなれば話は別。海老天入りの鍋焼きうどん、あれしかないと自然に足が向く。向かうは、杉並区役所の斜向かいに店を構える「豊年屋」だ。

暖簾をくぐれば、店内は近くで働く人々や界隈の常連客による活気に満ちている。テーブルは相席で埋まっていたが、空いていた小上がりに腰を下ろす。注文を済ませて待っていると、後から来た二人組も迷わず鍋焼きうどん。やはり、この寒さには誰もが温もりを求めているらしい。

「お待たせしました」の声とともに運ばれてきた土鍋。店の方がそっと蓋を取った瞬間、勢いよく立ち昇る湯気に包まれる。あぁ、これだ。鼻先をくすぐるのは、蕎麦屋らしい出汁と醤油の香り。湯気の向こうに見える目当ての海老天。そうそう、出汁が染みてこそ旨い麩もあったんだ。

他には椎茸に蒲鉾、玉子焼き、若芽、豚肉になると。具沢山で、どれもが役者。花揚げの衣をまとった海老天は、汁を吸ってなお軽やかで、噛めば海老の甘みがきちんと残る。江戸前らしいキレのある出汁が、うどんと具材にじんわりと染み込み、体の芯まで温めてくれる。

店を出ると、先ほどまであんなに冷たく感じた冬の空気も、今は心地よいくらい。この温もりが消えないうちに、午後の仕事に戻るとしよう。

【お店情報】
豊年屋 成田東4-37-10 地図

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