Chinese 元yuan (高円寺)

午後3時の開店に合わせて、祝日らしい楽しみを。
これまで何度も足を運んできたけれど、この早い時間を目指して訪ねるのは、実は今日が初めて。オープンから3年余り、その人気は留まるところを知らず、まだ陽の高い時間だというのに、カウンターはすでに美味しい料理を求める客たちの静かな熱気で埋まっていく。
コースに身を委ねるのも一興だが、その日の直感で選ぶアラカルトも、この店に通い詰める醍醐味。何を食べても美味しいという確信があるからこそ、贅沢な迷いに浸れるのだ。

まずは、前菜的なメニューから、2種類のクラゲの冷菜。好きな店で「2種類」と記されていると、ついつい手が伸びてしまう。手前は極細にカットされたクラゲ、奥の赤いほうが、クラゲの頭を使った赤酢仕立て。肉厚な頭部分は、酸味ととともにブリンと力強い弾力が弾け、極細のほうは、繊細なのど越しを抜けた後に、奥深いコクを湛えたタレの旨味が追いかけてくる。一口ごとに、胃の腑が鮮烈に目覚めていく。

続いて、多くのファンを虜にしている「海老春巻」。薄く軽やかな衣がサクッとはぜた瞬間、溢れ出す海老の熱気。端から端まで、これでもかと詰め込まれた海老のむっちりとした甘みと、弾けるような食感。何もつけず、ただその純粋な旨味の塊に浸る至福。

平貝と海老の黄ニラ炒めは、素材それぞれの輪郭を際立たせる見事な火入れ。透き通るような平貝の甘み、ぷりっと弾ける海老、そして黄ニラの若々しい香りと食感が、絶妙な塩梅で一皿に調和する。

そして今夜の白眉、キンキの姿蒸し。この日の品書きで一番気になった一皿だ。運ばれてきた瞬間、葱や生姜、タレ、油が混然一体となった芳醇な香りが、真っ白な湯気とともに立ち上がる。
箸を入れれば、とろりと解ける真っ白な身。口にすれば、ほろりと崩れる柔らかさと、プルッとした弾力からの品のよい甘み。皮目の脂がタレに溶け出し、その旨みを余すところなく吸い込んだ一滴までを慈しみたくなる。
佳き休日、佳き料理。ソムリエのマダムが選ぶワインの余韻に浸りながら、次に来る日を、もう想っている。
【お店情報】
Chinese 元yuan 高円寺南2-53-1フラットコウ102 地図
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