エベレスト (阿佐ヶ谷)

気づけばこの一年で最も足を運んだ一軒。
この店の何がいいかといえば、ひとことで言えば「スパイス飲みに最適」なこと。酒肴が充実し、そのどれもが「飲みながら」を計算した絶妙なポーションで、風味豊か。ランチにも夜にも、ふらりと立ち寄れる懐の深さも、つい足が向く理由のひとつだ。

例えば、豆のスパイス炒め。これだけで、チャナフライとボディフライの二種類がラインナップされているのが、豆好きにはたまらない。スパイスの風味がしっかり乗っていながら重くなく、噛みしめるほどに豆の滋味が広がる。立ち上る湯気の中で、時折顔を出す紫玉ねぎのシャキシャキとしたフレッシュな食感が、実にいいアクセントを添えてくれる。

玉子好きとしては、ミックスオムレツも外せない。オムレツには細かく刻まれた野菜がたっぷりと抱き込まれ、軽やかながらも複雑な味わい。

チキンティッカやシークケバブも、酒の合間に摘まむには丁度いいサイズ感。スパイスの香りをまとった熱々をハフハルと頬張り、レモンサワーで追いかける。これぞ、この店での理想的な時間の過ごし方だ。

最近のお気に入りは、アルジラ。じゃがいもとクミンを合わせたシンプルな料理だが、熱々で運ばれてくるそれは、クミンシードの風味が驚くほど鮮やか。じゃがいものホクホク感に、クミンが弾けるプチッとした食感も癖になる。

パニプリも、すっかりお気に入りの一つ。サクサクの丸い生地にスパイス豊かなソースがじわりと染みて、一口でパクリといく、あの感覚がたまらない。酒の合間にあつらえ向きなひと皿だ。

ロティが品書きにあるのも心強い。時々無性に食べたくなるカレーに合わせる、その素朴な味わいとほどよい重みが心地よい。
特筆すべきは、そのコストパフォーマンス。特にレモンサワーが290円という設定はかなり魅力的。一品一品の量感も程よく、どれも風味が際立っていて、手頃な価格帯で飽きさせることがない。
ネパールの家庭的な温かみを感じさせつつ、スパイスの技が光る料理の数々。これからも、昼に夜にと通い詰めることになりそうだ。
【お店情報】
エベレストダイニング&バー 阿佐谷南1-18-6 2F 地図
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