2026年3月 8日

ててて (荻窪)

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冬から春へと移ろう季節の滋味を。

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2026年2月24日

岩戸 豚汁定食 (銀座)

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今日出社したら、どうしても食べたいものがあった。何なら先週からずっと楽しみにしていたのだ。公式ホームページなど、各種のウェブサイトで定休日でないことを念入りに確認して、はやる気持ちを抑えて店に出向いた。けれど、店頭で待ち受けていたのは、「定休日」と書かれた無情の文知らせ。

昨日祝日だったから臨時休業だろうか。あゝ、なんという不覚。目当ては季節限定の料理だっただけに、次回の訪問まで品書きに残って言うかも心配だ。

だが、嘆いていても腹は減る。まずこの食欲のやり場を決めなくては。銀座菊正のお楽しみ定食に玉子焼きを添えるのもいいだろうし、酒の穴の茶碗蒸しも捨てがたい。そうだ、この界隈なら、まずは「岩戸」を覗いてみるのが正解だ。

店に近づくと人だかりが見え、「今日はこちらもダメか」と身構えたものの、隣のビルから出てきた人の群れだったようだ。幸い店前には行列はなく、引き戸を引けば、カウンターに空席が見える。よし、今日はここで決まりだ。

待っている間に手を伸ばしたお茶が、冷たくて心地よい。そしてほどなく運ばれてくる豚汁は、相変わらずの両手で包み込みたくなるような大ぶりの器。豚肉に人参、里芋...そして今日の大根はいつにも増して厚切りで瑞々しい。一口含めば、熱々の汁とともに旨味がじゅわりと溢れ、口いっぱいに広がる幸福感で満たされる。まぐろの漬けはタレだくで、タレだくで、ご飯にたっぷりと載せて頬張る悦びよ。

夢中で食べ進めていると、いつの間にか額が汗ばむくらいの陽気。一か月もすれば、銀座柳通りの桜が見頃を迎えるかもしれない。

【お店情報】
岩戸 銀座店 銀座1-5-1 地図

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2026年2月16日

源氏 和牛肉すき焼き鍋 (荻窪)

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昨日の暖かさが嘘のような、少しばかり肌寒い昼下がり。こういう日は、身体の芯から温まるものが恋しくなる。向かうのは、荻窪の路地裏に佇む和食店『源氏』。魚介メニューが豊富な日本料理店で、ランチも刺身に煮魚、焼魚、海鮮丼に魚介のフライが並ぶが、そのラインアップの中にいつも鍋がある。それも日替わりというのが、何とも心憎い。

店へと向かう路地の角に、その日のランチメニューが置かれている。立ち止まって今日の鍋メニューを探すと、「和牛肉すき焼き鍋」の文字。今日はこれか。玉子に潜らせる「すき焼き」の醍醐味と、たっぷりの出汁の鍋の満足感もある。短いランチタイムでも楽しめるいい料理。

暖簾を潜ると、いつも以上の盛況ぶり。「お二階でよろしければ」と案内されて上がってみると、こちらもほぼ満席。人気店だがこれほどの客入りは、初めてかもしれない。

少し時間がかかるかと覚悟したが、待つことしばし、程よい間合いで運ばれてきた。届いたすき焼き鍋は、やわらかくふつふつと柔らかく熱を帯びる。生玉子を割ってかき混ぜて、いざ。中には、牛肉の他、葱に豆腐、白菜、茸と、正真正銘のすき焼き。上等ではないが、気軽に食べるには十分な牛肉の旨味。甘辛い味に溶いた玉子を潜らせると、昼間っから贅沢をしている気分になる。

小鉢類が充実しているところも相変わらず。お浸し、サラダにお新香。ご飯に味噌汁。盛況ぶりも相変わらずで活気のあるところも好い。周りの方も皆幸せそうな顔をしているのが、人気の証だ。

【お店情報】
日本料理 源氏 荻窪5-23-8 地図

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2026年2月15日

田っくん商店 (阿佐ヶ谷)

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深更の再発見。いつもの店が、もっと愛おしくなる。

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2026年2月 9日

田舎亭 はなれ ロールキャベツ定食 (阿佐ヶ谷)

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空は晴れ渡っているけれど、空気はまだ冷たいまま。噛んた瞬間に出汁がじゅわっと溢れ出るようなものが食べたい気分。例えば、きつねうどんとか。けれども、「きざみうどん」が美味い手打ちうどんの店は、あいにく今日は定休日。他に何かないだろうか…。そこで思い出したのが、「田舎亭はなれ」のロールキャベツだ。

ここは、魚とおばんざいの定食がメインの店。時折、出汁で煮込んだロールキャベツが登場するが、最近よく見かけるなと気になっていたんだ。寒い日が続いているから、今日もあるといいなと思って店前の品書きを確認すると、期待どおりに「ロールキャベツ」の文字が躍っている。

ここのロールキャベツは、出汁がベースの和風仕立て。一口噛めば、キャベツがはらりと解け、中から出汁がじゅわりと溢れ出す。中の肉ダネもきめ細やかで、口のなかでとろりとほどけては旨味と重なり合い、じんわり染み入る。この優しく儚いくちどけも、味わいに似合いで好ましい。

器には生麩や高野豆腐も添えられ、副菜には、ほうれん草と金柑の白和えと好物ばかりが並ぶ。今日の正解をここで見つけたような満足感。

後やって客も席に着くなり次々とロールキャベツを注文していく。せめて冬の間、ロールキャベツを定番でおいてくれないだろうか。

【お店情報】
京都祇園 石堀小路 田舎亭 はなれ 阿佐谷南1-16-12 地図

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2026年2月 6日

瓜坊 小鉢の定食 (荻窪)

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美味しいご飯と味噌汁の定食を求めて、少し久しぶりの「瓜坊」。湯気を立てるホカホカのご飯と、透明感を感じるほど澄んだ味わいの味噌汁。メイン料理に小鉢と漬物が揃う端正な4皿構成の定食を出す店。

今日はどんな献立だろうかと訪ねてみると、グラタンやガパオといった顔ぶれの中に、「小鉢の定食」を見つけた。7種類もの小鉢が並ぶこの定食は、お目にかかれない日も多く、まさに「幻のメニュー」。運よく出合えた幸運に胸が高まる。

運ばれてきた盆には、色彩豊かな豆皿が所狭しと並んでいる。もやしのカレー炒め、えのきの梅和え、小松菜のお浸しなど、ずらりと並ぶ皿は壮観。クリームシチューや鶏肉のピリ辛炒めといった温かい料理に、玉子焼きも添えられ、どれから箸をつけるか迷うのもまた楽しい。

あっさりしたもの、刺激的なピリ辛、コク味のあるもの、小気味よい歯ごたえ。味や食感も多彩な料理を一度に楽しめるのは、外食ならではの贅沢。

そして今日も、美味いご飯と五臓六腑にやさしく沁みる味噌汁もいただいて大満足。心身が整っていくようなやさしい定食。ありがたさが染みる今日この頃。

【お店情報】
瓜坊 荻窪5-23-6 地図 

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2026年1月26日

銀座菊正 西京焼定食 (銀座)

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打ち合わせが長引き、昼休みはもう目前。何を食べようか決めあぐねたまま街へ出た。いくつか気になっていた店を覗いてみたものの、どうにもピンとこない。そんな時、ふと思い浮かんだの銀座菊正。銀座松屋の裏手。賑わう通りから一本入った路地に佇む、小体な造りながら、凛とした清潔感が漂う店。

半地下と二階に分かれた店内。地下を覗くと、運のいいことに空席がある。けれども、あのチャーミングな大女将は、今日はご不在のよう。少し寂しさを感じつつも、品書きに目をやる。

今日の日替わり(お楽しみ)定食は、炊き込みご飯と鍋焼きうどん。この寒さだ、熱々のうどんは魅力的だし、炊き込みご飯も好物だ。けれども、午後の仕事への影響を考えると、炭水化物の重なりが少しばかり気にかかる。ならば、と選んだのは西京焼定食。木曜日の日替わりが西京焼きゆえ、わざわざ「西京焼き定食」を頼むことは少ないが、ここの西京焼きは大好物なのだ。

「10分ほどかかります」と声がかかってからじっくりと焼き始める西京焼きは、今日も惚れ惚れするほど立派。箸を入れれば、閉じ込められていた熱とともに「ほわり」と湯気が立ち上がり、艶やかな身がしっとりと解けていく。口にすると白味噌の甘い香り。品がよく、それでいてしっかりと白米を誘う塩加減。乗った脂も見事で、今日はこれで大正解と思わずに頬が緩む。

ほうれん草のお浸しに、大根の漬物。なめこの味噌汁と甘味として懐かしい「しるこサンド」まで添えられた至れり尽くせりの満足度。品書きを見れば、玉子焼き「1/2サイズ」だけではなく、「1/4サイズ」を追加というオプションが増えたよう。しかも+200円。次回の訪問時、また嬉しい悩みが増えてしまった。

【お店情報】
銀座菊正 銀座3-8-17 地図

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2026年1月23日

岩戸 豚汁定食 (銀座)

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寒さに背中を押され、少し間が空いたこともあって、今日はどうしても岩戸の豚汁だと決めていた。引戸を開け、入口で食券を買いながら、ふと違和感に気づく。いつもなら真っ先に届く女将さんのあの声が、今日はない。店内を見回してもその姿は見えず、そのことが少し胸に引っかかる。

ほどなく運ばれてきた豚汁は、いつもの堂々たる佇まい。大きな器にたっぷり、立ち上がる湯気の向こうには、大ぶりにカットされた具材たち。豚の脂が溶け込んだ汁は相変わらず深く、ひと口すすれば体の芯がゆるりととける。大根は箸で持ち上げるとずっりとした重く、噛めば中から熱々の旨味がじゅわりと旨味が溢れ出す。里芋、人参、玉葱、それぞれの甘さや味わいにしみじみする。

豚汁の最高の相棒が、たっぷりのタレを纏ったまぐろの漬けだ。これをご飯にのせて頬張り、合間にがり昆布を挟む。そしてまた豚汁。メニューが絞られた今も、この三位一体の完成度は揺るぎない。

胃の腑から温かさに満たされるほどに、やはり女将さんの不在が心許ない。あの声が迎えてくれてこそ、ここに来た実感が満ちるのだと、改めて思う。たまたまのお休みであればいいけれど。

【お店情報】
岩戸 銀座店 銀座1-5-1 地図

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2026年1月13日

國定 出汁巻き玉子定食 (銀座)

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午前中の打ち合わせが予定より延びて、ようやく解放されたのは昼休み直前。慌てて表へ出たものの、今日のランチはまだ決まっていない。歩きながらどこへ行こうか考える。久しぶりの「せりそば」も気になるし、この季節なら「牡蠣」も捨てがたい。ふと、今日は火曜日であることに気づく。それなら迷わずあそこ。火曜日限定、國定の出汁巻き玉子定食。

地階の店に入ると、先客は一人。厨房から響くシャカシャカという小気味よい音。あの音から察するに、あの方も間違いなく出汁巻き定食に違いない。注文を済ませると、今度はきっと自分の分。玉子が混ぜられ、丁寧に焼き上げられていく。カウンター越しにその鮮やかな手捌きを眺められるのも、カウンター席の醍醐味だ。

運ばれてきたのは、目に鮮やかな黄色が眩しい玉子焼き。土鍋炊きのご飯に具沢山の味噌汁、小鉢に水キムチ。玉子焼き用のかえしと、味噌汁用の生七味が添えられ、期待が高まる。

まずは、味噌汁を一口。柔らかな味噌の風味に、大ぶりにカットされた大根の旨味がじんわりと身体に染み渡る。そして、主役の出汁巻き玉子。温かくて、何より塩梅がすばらしい。控えめな甘さ、とろとろ過ぎない絶妙な柔らかさ。おかずとしても酒肴としても申し分ない完成度。小鉢の蓮根の金平、そして好みの炊き加減のご飯。理想の定食だと思って食べ始めたが、もはやそれ以上。細部まで全てが好みにピタリと重なる。

後から来る客も、ほぼ全員出汁巻きを注文していく。火曜日の國定に来る人々は、皆これを求めてやってくるんだろうな。お品書きに目をやると、今月の月替わり「温かいつくね大根そば」の文字。こちらも気になる。

【お店情報】
手打ち蕎麦國定 銀座6-1-16 花椿ビルB1 地図

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2026年1月 7日

すずらん 具だくさん豚汁定食 (荻窪)

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今日は朝から焼魚の気分。鰆や鰤の塩焼きなんてあるといいなと思いながら、足を向けたのは、荻窪駅の西口方面。焼魚を出す店が数軒並ぶなか、日替わりのメニューを見ながら、食べたいものを決めようと算段を立てる。

「すずらん」の店頭で日替わりを確認すると、好物の「具だくさん豚汁定食」を発見。鮭やさば塩より、断然こっちの気分だ。

引戸を開けると、「いらっしゃいませ!」という元気な声が飛び込んでくる。「カウンターにどうぞ」と案内されるが、今日はいつも以上に席が埋まっている。店が賑わっているのは良いことだ。

注文をすると、ほどなくして定食が届く。そうそうこれこれ。ごろりと大振りの具がたっぷりと入って、まさに具だくさん。しかも、うどんなどが出されるような大きな器になみなみと。先ずはと汁を一口飲むと、温かくてほんのり甘めの、どこかやさしい味が五臓六腑に染みる。具は豚肉のほか、豆腐に大根、人参、牛蒡、椎茸、蒟蒻と定番どころが盛り沢山。

豚汁の面白さは、どの店でも微妙に味が違うこと。味噌や出汁の種類はもちろん、具の切り方や煮込む時間の違いがその店独自の味を作ると思うと、ますます豚汁に興味が湧いてくる。

2種類の副菜にふっくら炊きあがったご飯、漬物で一揃え。今日はこれを見つけて大正解。一方で、12時を回って続々と入って来るお客さんは、皆口々に「大エビ梅しそフライ」を注文。なるほど、海老フライの梅しそ味とは新機軸。次回以降の宿題だ。

【お店情報】
一膳めし屋 すずらん 荻窪5-11-12 荻窪マンション 1F 地図

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