2026年3月 5日

日本ばし やぶ久 牡蠣天ぷらそば (銀座)

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牡蠣のシーズンもいよいよ終盤戦。今季その存在を知り、どうしても食べたかった「牡蠣の蕎麦」に滑り込み。向かったのは銀座三丁目、ビルの地階に店を構える「日本ばし やぶ久」。開店当初に伺って以来、かなり久方ぶりとなったが、凛として落ち着いた店内の佇まいは、相変わらず気持ちがいい。

目当ての牡蠣蕎麦は、もちろん季節限定。名物「カレー南蛮」仕立ての牡蠣カレー南蛮、牡蠣天ぷらそば、そして牡蠣南ばん。品書きには温・冷たが並び目移りしてしまう。カレーの誘惑も強いが、やはり天ぷらは外せない。春めいた陽気に誘われ冷たい蕎麦も頭をよぎったが、温かい汁に浸った天ぷらが魅力的で、牡蠣天ぷらそばをお願いする。

「おまたせしました」と運ばれてきた牡蠣の天ぷらの圧倒的な存在感に目を奪われる。牡蠣の殻をそのまま写し取ったような大ぶりの身は、小判型でぷっくりとした厚みの見事なこと。それが贅沢にも4つ。これは存分に堪能しがいがありそうだ。

先ずはおすすめいただいた塩でいただくと、中は驚くほどレアで噛むと潮の香りが鮮烈と広がる。レモンを絞れば甘みを引き立ち、蕎麦の汁に浸せば、少し濃いめの汁を吸った衣と、余熱でさらに旨味を増した牡蠣が旨味が口いっぱいに広がる幸せ。蕎麦は細くたおやかなで、ツルツルと小気味よい喉越しが堪らない。

周りを見渡せば、日本酒と酒肴を一人で嗜む粋な客も。山菜の天ぷらそばなども始まっていて、季節を追って再訪したいのは勿論、この牡蠣そばは毎年の楽しみになりそうだ。

【お店情報】
日本ばし やぶ久 銀座店 銀座3-3-6 銀座モリタビル B1F 地図

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2026年2月24日

岩戸 豚汁定食 (銀座)

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今日出社したら、どうしても食べたいものがあった。何なら先週からずっと楽しみにしていたのだ。公式ホームページなど、各種のウェブサイトで定休日でないことを念入りに確認して、はやる気持ちを抑えて店に出向いた。けれど、店頭で待ち受けていたのは、「定休日」と書かれた無情の文知らせ。

昨日祝日だったから臨時休業だろうか。あゝ、なんという不覚。目当ては季節限定の料理だっただけに、次回の訪問まで品書きに残って言うかも心配だ。

だが、嘆いていても腹は減る。まずこの食欲のやり場を決めなくては。銀座菊正のお楽しみ定食に玉子焼きを添えるのもいいだろうし、酒の穴の茶碗蒸しも捨てがたい。そうだ、この界隈なら、まずは「岩戸」を覗いてみるのが正解だ。

店に近づくと人だかりが見え、「今日はこちらもダメか」と身構えたものの、隣のビルから出てきた人の群れだったようだ。幸い店前には行列はなく、引き戸を引けば、カウンターに空席が見える。よし、今日はここで決まりだ。

待っている間に手を伸ばしたお茶が、冷たくて心地よい。そしてほどなく運ばれてくる豚汁は、相変わらずの両手で包み込みたくなるような大ぶりの器。豚肉に人参、里芋...そして今日の大根はいつにも増して厚切りで瑞々しい。一口含めば、熱々の汁とともに旨味がじゅわりと溢れ、口いっぱいに広がる幸福感で満たされる。まぐろの漬けはタレだくで、タレだくで、ご飯にたっぷりと載せて頬張る悦びよ。

夢中で食べ進めていると、いつの間にか額が汗ばむくらいの陽気。一か月もすれば、銀座柳通りの桜が見頃を迎えるかもしれない。

【お店情報】
岩戸 銀座店 銀座1-5-1 地図

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2026年2月10日

泰明庵 せりそば (銀座)

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うっかりしていると、あっという間に2月中旬。冬の恵みを今のうちに存分に教授しておかなければと、足を向けたのは「泰明庵」。この時期、のここへ来る目的といえば、「せりそば」である。

暖簾をくぐると、1階は溢れんばかりの活気。「お二階どうぞー!」という声に導かれ階段を上がると、こちらもほぼ満席という盛況ぶりだ。手前のテーブルに相席をさせていただいて、注文するのは、もちろん「せりそば」。

期待に胸を膨らませて待っていると、相席の方にそばが届く。どうやらお二人とも「かしわせいろ」。しかし、店内を見渡せば、かなりの人が芹のそばを注文している様子。やはりこの味を待ちわびるファンは多い。

ついに、手元にそばが届く。隣の方がこの香りが苦手なら、少し申し訳なくなるほどの野趣あふれる芳醇な香り。丼を覗けば、力強い根っこまでを含んだ鮮やかな緑がこんもりと。先ずは根っこを摘まんで一口。シャクシャクと噛むほどに、口内や鼻腔一杯にさらに深く広がる香り。そこへ蕎麦をズズッと啜り込めば、滋味深い温かい出汁の香りも相まって幸せの一杯。

帰り道、呼気に混ざる仄かに残る芹の香りと、じんわりと熱を帯びた胃袋の温かさに、思わず笑みがこぼれる。今シーズン、あと何度この幸せに浸れるだろうか。

【お店情報】
泰明庵 銀座6-3-14 地図

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2026年2月 5日

バグースプレイス 春のプレートランチ (銀座)

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今日はご飯と味噌汁の口だったが、目当ての店はどこも10人以上の行列。ならばご飯と味噌汁を諦め、別のものにしようかと考えたとき、思っふと思い出したのが「バグースプレイス」。銀座ベルビア館の地階。店内は広々として、落ち着いた空気が流れる。観光客向けというよりも、近隣で働く人が使う、都会の穴場。

入口のメニューに目を落とすと、気になるものがいくつか。おばんざいと紅鮭、唐揚げ、海老フライなどが入った「おばんざい定食」にも心惹かれるが、最近揚げ物続きを思い出し、視線をずらすと、サーモンステーキに五穀米、味噌汁の写真が目に入る。春らしい彩りに目を奪われると、案の定、2・3月の限定メニューだという。

運ばれてきた皿は、一足先に春を連れてきたような鮮やかさ。たっぷりのサラダの傍からには、見事なサーモンピンクのレアステーキ。赤や黄のパプリカが入ったピクルスに、五穀米の色合いも春らしい。

箸でサーモンをほぐせば、中からレアならではのより艶やかな色彩が顔を出す。口にすると鼻腔をくすぐる燻製香。なるほどこれには、漬物ではなく、ピクルスが正解だ。とろけるような脂の甘みを、さっぱりと滋味深い五穀米が受け止める。味噌汁には、麩やわかめ、葱だけでなく、ほうれん草がたっぷりと入っていたのも体に嬉しい。

ふと周りを見渡すと、やはりおばんざい定食が人気の様子。ランチタイムが比較的遅くまで営業していたり、ドリンクバーをセットに出来たりと、いろいろな使い方が出来る点で通っている人も多そうだ。ランチ難民になりかけたとき、ここに来るのも一案か。

【お店情報】
バグースプレイス 銀座2-4-6 銀座ベルビア館B1 地図

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2026年2月 3日

Wharf 牡蠣フライランチ (有楽町)

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今日はカキフライにしようと、そんな考えが頭をよぎる。この界隈には、牡蠣料理専門店もあれば、カキフライが評判の店がいくつもあり、選択しに事欠かない。けれども今日は、まだ行ったことのないところへ行ってみようという気持ちが湧いてくる。そういえば、有楽町のJP高架下に、オイスターバーがあったはず。

向かったのは、Wharf(ワーフ)。オイスターバーでありながら、ビストロ使いもできる店。高架を走る電車のゴトゴトとした音でさえ、演出の一部に感じられるモダンな雰囲気。ワインを傾ける人の姿もあり、なんとも羨ましい。

QRコードで注文を済ませ、待つこと数分。運ばれてきたのは、牡蠣殻に収まっていた頃の姿を思わせる小判型のカキフライ。使用されているのは、兵庫県の「相生の恵」だという。

齧り付けば、ザクッとした粗い衣の奥から、瑞々しい牡蠣のエキスが一気に溢れ出す。火入れは控えめで、生の余韻を残したフレッシュな味わいが印象的だ。添えられているのはレモンと、玉子感の強いタルタルソース。酸とコク、どちらもこのフライによく合う。

クミンの香りが立つキャロットラペ、いくらをあしらったポテトサラダ。柑橘の香りと酸味のきいたドレッシングに、生姜の風味が広がるスープと脇にも気が利いたランチ。

他にも、牡蠣フライや焼き牡蠣、蒸し牡蠣に、牡蠣の炊き込みご飯がセットになった牡蠣尽くし御膳や、生牡蠣のオプションもあり。炊き込みご飯や、牡蠣ではないが紅ズワイ蟹の濃厚グラタンランチも気になるところ。

【お店情報】
Oyster bar & Bistro Wharf 有楽町 有楽町2-4-11 地図

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2026年1月28日

ヴィラモウラ バカリャウ・コン・ナタス (銀座)

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銀座の街に出社する楽しみといえば、やはりランチの選択肢の多さだ。和洋中、各国料理まで一通りそろう中で、今日はここと思い浮かんだのが泰明小学校近くに店を構えるポルトガル料理店「ヴォラモウラ」。目当ては、以前訪れた際から気になっていた「バカリャウ・コン・ナタス」。タラとじゃがいものクリーム煮、グラタン仕立てだ。

階段を降り、ほのかに薄暗い店内へ足を踏み入れると、そこは心地よい活気に満ちている。一人客もちらほら見かけるが、多くはグループ客。肩肘張らない雰囲気の中、弾むような会話が聞こえてくる。

まず運ばれてくるのは、こんもりと盛られたサラダ。瑞々しい葉野菜に加えて、さつまいもなども入り、ボリューム満点。ドレッシングの塩梅も好みだ。

ほどなくして、メイン料理がクツクツと音を立てて届く。焼けたクリームとチーズの芳醇な香り、表面のこんがりとした焼き目が、食欲を刺激する。スプーンを入れた瞬間、立ち上る熱い湯気とともに、チーズがとろりと糸を引く。

中には、ごろごろとしたじゃがいもと、その間に顔を出す鱈。口に運べば、凝縮された鱈の風味がふわりと広がり、ほろほろと崩れる身の食感が追いかけてくる。そこに、じゃがいものホクホク感とクリームの優しさが重なり、口の中は熱々の幸福感。求めていたのはこの熱さだ。

近くの「オーバカナル」が最近閉まっているのが気になっていたが、工事のための1か月ほど休業と聞いて一安心。再開したら、あのオニオングラタンスープも食べに行こう。冬には、そんな熱い料理がよく似合う。

【お店情報】
ヴィラモウラ 銀座本店 銀座6-2-3 ダイワ銀座アネックスB1 地図

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2026年1月26日

銀座菊正 西京焼定食 (銀座)

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打ち合わせが長引き、昼休みはもう目前。何を食べようか決めあぐねたまま街へ出た。いくつか気になっていた店を覗いてみたものの、どうにもピンとこない。そんな時、ふと思い浮かんだの銀座菊正。銀座松屋の裏手。賑わう通りから一本入った路地に佇む、小体な造りながら、凛とした清潔感が漂う店。

半地下と二階に分かれた店内。地下を覗くと、運のいいことに空席がある。けれども、あのチャーミングな大女将は、今日はご不在のよう。少し寂しさを感じつつも、品書きに目をやる。

今日の日替わり(お楽しみ)定食は、炊き込みご飯と鍋焼きうどん。この寒さだ、熱々のうどんは魅力的だし、炊き込みご飯も好物だ。けれども、午後の仕事への影響を考えると、炭水化物の重なりが少しばかり気にかかる。ならば、と選んだのは西京焼定食。木曜日の日替わりが西京焼きゆえ、わざわざ「西京焼き定食」を頼むことは少ないが、ここの西京焼きは大好物なのだ。

「10分ほどかかります」と声がかかってからじっくりと焼き始める西京焼きは、今日も惚れ惚れするほど立派。箸を入れれば、閉じ込められていた熱とともに「ほわり」と湯気が立ち上がり、艶やかな身がしっとりと解けていく。口にすると白味噌の甘い香り。品がよく、それでいてしっかりと白米を誘う塩加減。乗った脂も見事で、今日はこれで大正解と思わずに頬が緩む。

ほうれん草のお浸しに、大根の漬物。なめこの味噌汁と甘味として懐かしい「しるこサンド」まで添えられた至れり尽くせりの満足度。品書きを見れば、玉子焼き「1/2サイズ」だけではなく、「1/4サイズ」を追加というオプションが増えたよう。しかも+200円。次回の訪問時、また嬉しい悩みが増えてしまった。

【お店情報】
銀座菊正 銀座3-8-17 地図

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2026年1月23日

岩戸 豚汁定食 (銀座)

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寒さに背中を押され、少し間が空いたこともあって、今日はどうしても岩戸の豚汁だと決めていた。引戸を開け、入口で食券を買いながら、ふと違和感に気づく。いつもなら真っ先に届く女将さんのあの声が、今日はない。店内を見回してもその姿は見えず、そのことが少し胸に引っかかる。

ほどなく運ばれてきた豚汁は、いつもの堂々たる佇まい。大きな器にたっぷり、立ち上がる湯気の向こうには、大ぶりにカットされた具材たち。豚の脂が溶け込んだ汁は相変わらず深く、ひと口すすれば体の芯がゆるりととける。大根は箸で持ち上げるとずっりとした重く、噛めば中から熱々の旨味がじゅわりと旨味が溢れ出す。里芋、人参、玉葱、それぞれの甘さや味わいにしみじみする。

豚汁の最高の相棒が、たっぷりのタレを纏ったまぐろの漬けだ。これをご飯にのせて頬張り、合間にがり昆布を挟む。そしてまた豚汁。メニューが絞られた今も、この三位一体の完成度は揺るぎない。

胃の腑から温かさに満たされるほどに、やはり女将さんの不在が心許ない。あの声が迎えてくれてこそ、ここに来た実感が満ちるのだと、改めて思う。たまたまのお休みであればいいけれど。

【お店情報】
岩戸 銀座店 銀座1-5-1 地図

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2026年1月21日

トプカプ MIXプレート (銀座)

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久しぶりの水曜出社。行きたい店は数あれど、水曜となればトルコ料理の「トプカプ」だ。水曜限定のランチ営業とあって、店内はすでに満席に近い盛況ぶり。

ランチメニューは、トルコの煮込み料理」と、フェタチーズとほうれん草のグレープ包み。煮込みは、前回訪れた際、「来週からはこれですよ」と聞いていた「牛挽肉と白いんげん豆」がずっと気になっていたが、いざメニューを見ると、「サーモンのクリーム煮」も冬らしくて心惹かれる。迷ったときは両方だと、両方を盛り合わせた「ミックス」をお願いする。

まずはセットのスープと前菜が運ばれてくる。スープはひよこ豆のスープ。ふわりと立ち昇るオリエンタルな香りに、一気に旅したような気分になる。日替わり前菜は「エビとアボカドのサラダ」。エビとアボカドの組み合わせは、クリーミーで間違いのない美味しさ。

運ばれてきた一皿は、目にも鮮やかな競演。赤い牛挽肉と白いんげん豆の煮込みは、豆のほくほくとした優しい甘みと、肉のコク味が重なって、噛み締めるほどに広がる旨味。

サーモンのクリーム煮は、一転してまったりと濃厚な冬の味。厚みのあるサーモンだけでなく、ほうれん草やキノコも入って具沢山。とろみのあるソースが素材を包んで、バターライスとの相性も抜群。食べ進めるごとに体がぽかぽか。今日はこれで大正解。

次に水曜日に出社できるのはいつだろうか。その時はまだ見ぬ「トルコ風クレープ包み」を頼むべきか、それともまた煮込みに心移りしてしまうのか。どちらにしても、幸せが待っている予感しかない。

【お店情報】
トプカプ 銀座2-4-6 銀座ベルビア館 8F 地図

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2026年1月13日

國定 出汁巻き玉子定食 (銀座)

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午前中の打ち合わせが予定より延びて、ようやく解放されたのは昼休み直前。慌てて表へ出たものの、今日のランチはまだ決まっていない。歩きながらどこへ行こうか考える。久しぶりの「せりそば」も気になるし、この季節なら「牡蠣」も捨てがたい。ふと、今日は火曜日であることに気づく。それなら迷わずあそこ。火曜日限定、國定の出汁巻き玉子定食。

地階の店に入ると、先客は一人。厨房から響くシャカシャカという小気味よい音。あの音から察するに、あの方も間違いなく出汁巻き定食に違いない。注文を済ませると、今度はきっと自分の分。玉子が混ぜられ、丁寧に焼き上げられていく。カウンター越しにその鮮やかな手捌きを眺められるのも、カウンター席の醍醐味だ。

運ばれてきたのは、目に鮮やかな黄色が眩しい玉子焼き。土鍋炊きのご飯に具沢山の味噌汁、小鉢に水キムチ。玉子焼き用のかえしと、味噌汁用の生七味が添えられ、期待が高まる。

まずは、味噌汁を一口。柔らかな味噌の風味に、大ぶりにカットされた大根の旨味がじんわりと身体に染み渡る。そして、主役の出汁巻き玉子。温かくて、何より塩梅がすばらしい。控えめな甘さ、とろとろ過ぎない絶妙な柔らかさ。おかずとしても酒肴としても申し分ない完成度。小鉢の蓮根の金平、そして好みの炊き加減のご飯。理想の定食だと思って食べ始めたが、もはやそれ以上。細部まで全てが好みにピタリと重なる。

後から来る客も、ほぼ全員出汁巻きを注文していく。火曜日の國定に来る人々は、皆これを求めてやってくるんだろうな。お品書きに目をやると、今月の月替わり「温かいつくね大根そば」の文字。こちらも気になる。

【お店情報】
手打ち蕎麦國定 銀座6-1-16 花椿ビルB1 地図

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